2019/05/10

パラベンフリーってどんな意味?パラベンフリー化粧水を選ぶコツ

パラベンフリーのスキンケア商品が各メーカーから提供されるなか、まだまだ「パラベン」のことを知らず、意味が分からないと感じている人も多いかもしれません。そこで、パラベンフリーとはどういうことなのかを説明するとともに、パラベンフリーのメリットや商品の選び方についてご紹介します。

パラベンフリーのスキンケア商品が各メーカーから提供されるなか、まだまだ「パラベン」のことを知らず、意味が分からないと感じている人も多いかもしれません。そこで、パラベンフリーとはどういうことなのかを説明するとともに、パラベンフリーのメリットや商品の選び方についてご紹介します。

パラベンとは

パラベンの正式名称は「パラオキシ安息香酸エステル」と言う化学成分です。防腐剤の一種で、私たちが日頃目にする化粧水をはじめとする基礎化粧品だけではなく、シャンプーやパックなど多くの商品に添加されています。もちろんスキンケア商品だけではなく、医薬品や食品にも広く添加されている防腐剤です。その歴史は古く、80年も前から化粧品に添加されています。パラベンはよく知られている成分のひとつですので、名前を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?パラベンの特徴として、メチルパラベンやエチルパラベンなどいくつかの種類があります。後ほど説明いたします。

パラベンが添加される理由

先ほどもお伝えしたように、パラベンは防腐剤の一種です。スキンケア商品を含む化粧品は、薬機法(旧薬事法)の適用により、一部の例外を除き、3年以上品質を保つように製造されています。そこで、3年間、商品の変質や変色を防ぐためにはパラベンのような防腐剤を添加します。特に化粧品のように水分を多く含む製品は菌が繁殖しやすいため、防腐剤を使用しなければ傷みやすくなります。パラベンは化学成分ではありますが、毒性が低いため、化粧品に添加されることが多い成分です。

パラベンの種類

パラベンは種類によってそれぞれ特徴が異なります。
・メチルパラベン・・・水溶性。パラベンのなかでも最も刺激が弱いため多くの製品に使用されています。しかし、メチルパラベン単体では高い抗菌力を期待することはできません。そのため、他のパラベンと組み合わせて添加されることが多いです。

・エチルパラベン・・・油溶性。メチルパラベンとセットで配合されていることが多く、メチルパラベンの次に刺激が弱いパラベンです。エチルパラベンの特徴として、微生物に対する抗菌力が強いことが挙げられます。

・プロピルパラベン・・・油溶性。メチルパラベンやエチルパラベンと比べて刺激が強いです。

・ブチルパラベン・・・油溶性。ブチルパラベンもプロピルパラベンと同様、メチルパラベンやエチルパラベンと比べて刺激が強いです。主に食品の保存料として使われています。
パラベンの中でも最も多くの製品に使われているのがメチルパラベンです。メチルパラベンと他のパラベンを組み合わせることで、相乗効果による防腐力を高めることができます。化粧品メーカーは複数のパラベンを組み合わせることで静菌力を高めて、パラベン全体の配合量を減らし、刺激を少なくする工夫をしています。
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パラベンフリーが注目されるわけ

パラベンはアレルギーが懸念される成分

これまでお伝えした内容から、パラベンを化粧品に添加することは品質を保つために欠かせないと思われるかもしれません。しかし、最近では、パラベンフリーをアピールした商品を多く見かけます。では、なぜパラベンを使用しない商品が今、注目されているのでしょうか?
2001年以降、化粧品について、全ての成分をパッケージなどに表示することが義務付けられています。消費者が購入する前にあらかじめアレルギー物質を避けることができたり、化粧品の使用後、肌に反応が出た場合、反応した成分の特定ができるようになりました。2001年以前は、全成分を表示する必要はなく、特定の成分だけ表示が義務づけられていました。これらの成分は刺激が強く、使用することでかゆみや赤み、アレルギーなど何らかの反応が発生しやすいと厚生省(当時)が指定した成分(表示指定成分)です。パラベンも表示指定成分のひとつでした。表示指定成分は防腐剤だけではなく、合成香料、合成着色料などその数は約100種類です。パラベンが表示成分に指定されたのは、アレルギー発症のリスクがあったからです。実際にパラベン入りの商品を使うことで、赤みが出たり、湿疹やただれといった症状を発症するアレルギー性の皮膚炎を起こす方もいます。

パラベンは発がん性が懸念される成分

イギリスのレディング大学の研究によると、乳がん患者の腫瘍にパラベンが発見されたとのことです。ただし、パラベンと乳がんの決定的な因果関係は解明されてはいません。パラベンが乳がんを引き起こすとは言いきれないですが、不安を覚える方は多いのではないでしょうか?

肌に負担をかけないスキンケアを求める人が多い

肌荒れは症状の重さにもよりますが、ほとんどの方が経験します。肌荒れの原因について、最近では簡単にスマホで調べる方が多くなってきました。それに伴い、化粧品の成分についての知識も、急速に広がり、パラベンなどの化学物質のリスクが注目され始めています。特に近年では無添加、オーガニック、ナチュラルなどといった言葉もさかんに飛び交うようになり、食べ物だけではなく化粧品を選ぶ際も肌への刺激が少ない商品を求める方が増えています。このようなことが食品や化粧品で〇〇フリーという言葉を見かけるようになった理由の一つです。

パラベンフリーのメリット・デメリット

上述したようなリスクを軽減させるとして、多くのメーカーが提供を始めたのが、パラベンフリーの商品です。では、具体的にパラベンフリーの化粧品を使用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。もちろん、メリットだけではなくデメリットもあるので、パラベンフリーのメリットとデメリット-について考えてみましょう。
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パラベンフリーのメリット

パラベンアレルギーによる肌荒れなどを回避することができます。また、パラベンは肌に悪いものというイメージをお持ちの方にとって、パラベンフリーという文字があるだけでも安心感があります。特に、顔に直接使用するものはなるべく刺激を懸念しないものを選びたいものです。

パラベンフリーのデメリット

パラベンフリー化粧品にはパラベン以外の防腐剤が使用されているケースが多いことです。防腐剤として使用される成分はさまざまですが、 防腐剤によってはパラベン以上に肌への刺激が強いものもあります。また、防腐剤を使用していない商品は、消費期限が短く、管理にやや手間がかかるものが多いです。消費期限を過ぎた商品や管理がしっかりなされていない商品を肌につけてしまうと、大きなトラブルを引き起こしかねません。

パラベンフリーの化粧品を選ぶポイント

では、パラベンフリーのデメリットを解消できれば、より良い商品を選ぶことができるはずです。デメリットを回避しつつ、自分に合ったパラベンフリーの商品を選ぶポイントをご紹介します。

パラベンの代わりに使用される成分をチェックしよう

化粧品である以上、一定期間品質を保持する必要があるので、パラベンが添加されていなくても、他の防腐作用のある成分が含まれています。代表的なものにはフェノキシエタノール(PE)が挙げられます。フェノキシエタノールはパラベンの危険性が懸念されはじめてから広く使われはじめた防腐剤です。しかしながら、抗菌力はパラベンよりも劣ります。そのため、パラベンよりも多量に添加しないと効果を発揮しません。その他にも安息香酸ナトリウム、フェノール、ソルビン酸、アルコールなどが防腐剤として使われます。エタノールなど天然由来の成分もありますが、敏感肌の方には刺激になりやすいので注意が必要です。ただし、化粧品にはキャリーオーバーと言って成分の全表示が義務付けられてはいますが、特例で、エキスを抽出する時に使うアルコールや、化粧品の安定性や長期保存のために使用される安定剤や防腐剤は表示する義務はないのです。化粧品のキャリーオーバー成分を知るためには、販売メーカーに聞かないとわかりません。化粧品を選ぶ時には、キャリーオーバーも含めて全ての成分を表示しているメーカーの製品や刺激性などを十分に考えられた成分を使っていることが多いのでおすすめです。

防腐剤以外の成分も確認すること

パラベンなど防腐剤以外にも、刺激が強くあなたの肌に合わない成分が含まれている可能性があります。ご自身の肌質を確認しながら、負担のないものを選ぶようにしましょう。

消費期限が記載されているかどうか

防腐剤が使用されないものは、長期保管ができないものが多いです。上述したように、一般的に化粧品は3年以上の使用期限がある商品を製造するようガイドラインがあり、その場合は使用期限を記載する必要がありません。一方、使用期限が3年未満の製品はその使用期限を表示することが義務付けられています。非常に短い使用期限が設定されているものもあります。必ずその使用期限内に使い切ってください。

パッチテスト

肌が敏感な方には、成分をチェックするとともに、必ずやっていただきたいのがパッチテストです。いきなり顔に使用するのではなく、腕の内側や耳の裏など目立たない部分につけて、反応が出ないか2〜3日様子をみることをおすすめします。敏感肌の方でも、初めての化粧品を使い始める際にパッチテストを行っていない方が非常に多いです。化粧品会社によってはサンプルやトライアルの用意がありますので、化粧品を変更する際には、サンプルやトライアルを活用しパッチテストをして肌に合うか合わないかの確認を行っていただくと安心です。成分だけの確認で安心せずに、自分自身の肌に合うかをチェックしましょう。
パッチテスト方法:
1.腕の内側や耳の裏に化粧品を少量つけます。
2.48時間放置し、赤みやかゆみ、湿疹などが出ていないか確認します
万が一、赤みやかゆみ、湿疹などパッチテストを行う前よりも肌状態が悪化してしまった場合はお使いになった商品の何らからの成分が肌に合っていないことが考えられますので使用を中止してください。
また、ホルモンバランスが乱れている時や季節の代わり目は肌がデリケートになっていますので、そのような時にパッチテストを行ってしまうと反応が出てしまいやすいのでその時期を避けてパッチテストを行ってください。

パラベンフリー製品を使用する際の注意点

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開封後の管理は表示どおりに

パラベンフリーで、なおかつ防腐剤が添加されていない商品の場合、開封後の保存状態によって使用時の品質が左右されます。防腐剤が添加されていない商品の場合、開封した瞬間から劣化しやすくなります。商品によっては冷蔵保存などの指定があるものもありますので、必ず従うようにしましょう。

早めに使い切る

防腐剤が使用されていない商品は、時間の経過とともに劣化しがちです。パラベンフリーの商品を選ぶ際は、できる限り早く使い切るようにしましょう。

まとめ

近年、パラベンフリーが注目され、さまざまな商品が販売されています。パラベンフリーと聞くと何となくイメージが良いですが、一概にパラベンフリーであれば安心!という訳でもありません。パラベンフリーとされる製品であっても、その他の防腐剤が添加されている可能性があるため、注意が必要です。パラベンフリーの化粧品を選ぶ時はしっかり成分をチェックして、自分に合ったスキンケアを選択しましょう。

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