2019/02/20

オイルを取り入れた美容習慣を!

オイルを使ったスキンケアは注目されていますが、いつ使えばよいのか、どれくらい使えばよいのかといいう基本をご存知ない方も多いのでは?スキンケアのベースとして取り入れるオイルの活用法についてお伝えします。

正しいスキンケアは美肌づくりの基本。美意識の高い女性たちの間で、最近オイル美容が注目されています。とはいえ、実際に取り入れようと思っていても「べたつくのが苦手」「オイル焼けが心配」といった不安を感じている方も多いかもしれません。一口に「オイル」といっても、種類も用途もさまざまあり、目的に合わせたものを選ぶことが大切です。正しい知識を身につけて、スキンケアにオイルを取り入れてみましょう。

オイルが肌に良いとされる理由

海外セレブをはじめ、美容にオイルを取り入れる女性たちが増えています。スキンケアにオイルが活躍するのにはきちんと理由があります。それは、オイルに含まれる栄養分を効率よく取り込むことができるから。肌細胞や細胞膜は必須脂肪酸などの脂質やマグネシウムなどのミネラル分を主成分にしています。そうした成分を含むオイルは、肌細胞にとって栄養分になります。さらに、オイルは肌に取り込みやすいという性質も持っています。私たちの肌表面は、ケラチノサイト(角化細胞)という特殊なタンパク質でできており、通常の細胞と比べて、70倍も強度があるとされています。何層にも重なったケラチノサイトの間には、細胞間脂質などが満ちてクッションのような役割を果たしており、肌のハリにも影響するものです。このケラチノサイトは「疎水性」(水を弾く)と「親油性」(油に馴染む)という特徴を持っています。つまり、オイルは肌の細胞に馴染みやすく、水分を弾きます。病原菌などの細菌は水分の多い場所で繁殖しやすいことから、体内に病原菌が侵入するのを防ぐために、角化細胞は疎水性をもち、肌バリアとして機能しているのです。

オイルの種類

美容オイルは数多くありますが、種類によってさまざまな特徴があります。これはオイルに含まれている脂肪酸の違いによるものです。脂肪酸には、「飽和脂肪酸」と「必須脂肪酸」の大きく2種類があります。飽和脂肪酸は、バターやカカオに含まれているもので、ほとんどが常温でバーム状になっています。一方、不飽和脂肪酸は、さらに細かく分かれ、一価不飽和脂肪酸のオメガ9脂肪酸、必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸に分けることができます。それぞれ細かく見ていくと、以下のような特徴があります。
■一価不飽和脂肪酸(オメガ9脂肪酸)
オレイン酸と呼ばれる脂肪酸で、オリーブオイルや椿オイル、アルガンオイルといったオイルに含まれています。少し重さのある、しっとりした質感が特徴的。外部から摂取することもできますが、体内でも生成することができるオイルです。ただし、ニキビの原因「アクネ菌」のエサになるとされているため、ニキビのできやすい人は注意が必要でしょう。また、大手化粧品会社の研究によると「オレイン酸が毛穴を開かせる」のではないかと疑問視されています。

■必須脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸)
必須脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸とは違い、私たちに必要な栄養であるにも関わらず、自分では作り出すことができない脂肪酸です。オメガ6はコーン油や大豆油、卵、魚に含まれているので比較的摂取しやすいですが、多く摂りすぎるとアレルギーを引き起こす可能性があるとされています。同じ必須脂肪酸でも、オメガ6とオメガ3をバランスよく摂取することがトラブル回避のポイント。とはいえ、オメガ3は亜麻仁油や魚油などの限られたオイルにのみ含まれているため、摂取量が少なくなりがちです。オメガ3については、積極的に摂取する必要があるでしょう。
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「オメガ3」を取り入れる際のポイント

日常生活では摂取しづらいオメガ3ですが、アレルギーへの影響だけでなく、肌ケアのためにも積極的に取り入れたいところ。というのも、オメガ3(特にαリノレン酸)は、肌を構成するセラミドの生成に大きく関わるからです。
セラミドは角質層にあり、細胞と細胞の間を埋めている「細胞間脂質」の主な物質です。オメガ3を取り入れることで、加齢によって減少しがちなセラミドを育てることにつながります。しかし、上述したようにオメガ3は外部からは摂取しづらいため、美容オイルを選ぶ際にはオメガ3脂肪酸を含むものを選んでみましょう。加えて、オメガ3が含まれるオイルを使用する場合には、正しい管理が欠かせません。オメガ3は酸化しやすいという弱点があるため、開封後はすぐに使いきり、温度が上がり過ぎないところで保管しましょう。

健康な肌に欠かせない「ターンオーバー」

健康な肌を保つためには「理想的な周期でターンオーバー(肌細胞を生まれ変わらせる)させること」が重要です。肌は基底層で毎日細胞分裂を起こし、常に新しい表皮細胞を生成しています。その時、細胞膜を作るのにリノレン酸とマグネシウムが必要です。マグネシウムとリノレン酸を同時に摂取できるオイルは、健康で強い肌づくりにおすすめです。

オイルを使う順番はいつがいい?

スキンケアにオイルを取り入れようと思っても、どのタイミングで使用すべきなのか悩まれる方も多いことでしょう。オイルを使用する順番ですが、実はどのタイミングで使ってもOK。洗顔後のスキンケアの最初でも、洗顔後の化粧水の後でもどちらでもかまいません。オイルを先に使用することで、次に使用する化粧水の浸透を助ける働きが期待でき、化粧水の後に使用すれば、うるおいを閉じ込める役割も。ブースターに優れているものや保湿力に優れているものなど、オイルによって使用感が違うため、オイルごとの性質を知り、実際に使い比べながら自分に合ったものを選んでみましょう。

肌質を問わず、オイルは使える?

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「オイル」と聞くと、「乾燥肌の人向けで、脂性肌には向いていないのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、脂性肌であっても、オイルを使ったスキンケアはおすすめです。脂性肌になってしまう理由は個人差がありますが、多くの場合、肌の油分と水分のバランスがくずれていることが原因です。脂分が十分にある一方で、水分が足りなくなっていることから、これ以上肌が乾燥しないようにと、過剰に皮脂を分泌させてしまうことで脂性に偏ってしまいます。つまり、表面的には脂っぽいと感じる肌であっても、実は、内側が乾燥している可能性が高いということ。油分と水分の調整をする役割が期待できるセラミドを育てることで、そうした肌トラブルが回避できる可能性があるのです。脂性が気になる方は、オイルの中でもオメガ3を含んでいるものを一度試してみてはいかがでしょうか。

原材料をチェックして質のよいオイルを選ぶこと

美容オイルといっても、製品によって製造過程や成分が異なります。特に、肌荒れが気になる人は、肌に悪影響を与える可能性があるケミカルな成分を避け、天然素材で肌に優しい物を選ぶようにしましょう。
美容に使える天然素材のオイル例
・馬油
人の肌に極めて近いとされる天然素材で、殺菌作用や抗酸化作用が高いとされる馬油。酸化しやすいため、保管に気を付けて早めに使い切ることを心がけましょう。

・アルガンオイル
ビタミンEが豊富なアルガンオイルは、肌に若々しいツヤを与えてくれます。ただし、含まれるオレイン酸はニキビの原因となるアクネ菌のエサとなるため、ニキビ肌の方は注意が必要です。

・クランベリーシードオイル
必須脂肪酸であるオメガ3やオメガ6がバランスよく含まれる、クランベリーシードオイル。一般的なビタミンEと比べて、40倍もの抗酸化力があるとされるトコトリエノールを最も多く含有するオイルです。
※参考文献:Free radical recycling and intramembrane mobility in the antioxidant properties of alpha-tocopherol and alpha-tocotrienol.
Serbinova E1, Kagan V, Han D, Packer L. Free Radic Biol Med.  1991;10(5):263-75.

・ホホバオイル
人間の皮脂と同じ成分を含んでいるとされるホホバオイルは、肌なじみが抜群。もともとアメリカ南部の砂漠が原産というホホバオイルは、気温が低いと固まってしまうので注意を。(気温が上がればすぐに戻り、品質に問題はありません)

・スクワランオイル
スクワランオイルは、動物性と植物性があり、肌にうるおいを与えてくれます。ただし、日焼け止めに使われている成分との相性が良くないため、スクワランオイルの後に日焼け止めを塗ると肌荒れの原因となることも。組み合わせに注意しながら、使用しましょう。

まとめ

オイルを取り入れたからといって、すぐに肌が変化するとは限りません。まずは、一定期間(肌のターンオーバーが一周する30日~50日)、使い続けることが大切です。アレルギーチェックなど、自分に合うかどうか確認したうえで取り入れましょう。質の良いオイルを使うと肌も喜び、同時にその心地よさで気分も高まるはずです。

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