2022/05/12

速すぎても遅すぎてもダメ!肌のターンオーバー正常化について考える

突然ですが、肌のターンオーバーについて考えたことはありますか?若い頃に比べてシミができやすくなったり、肌がくすんだり、ざらつきやごわつきを感じているなら、肌のターンオーバーが乱れている可能性が高いです。加齢による肌の悩みを改善するには、まずは肌のターンオーバーについての知識を知って実践に活かすことが大事です。

肌のターンオーバーとは

ターンオーバーとは、肌の細胞が一定の周期で生まれ変わるしくみのこと。皮膚組織は、上から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層に分かれています。ターンオーバーは、皮膚組織の一番外側にある「表皮」で起こっています。
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「表皮」について詳しく解説します。
表皮は肌の外側から順に、角質層(かしつくそう)、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(きていそう)の4つの層で構成されています。表皮の細胞は、各層で性質がどんんどん変化し最後に角質になるため、角化細胞(ケラチノサイト)と呼ばれます(詳しくは後述)。角化細胞は体の他の部分の細胞と異なり、水を外から取り入れることがない疎水性という性質を持っています。

新しい細胞を作るところが、基底層です。基底層では、表皮細胞をつくる基底細胞があり、それが分裂や増殖を繰り返して、日々新しい細胞を生み出します。

ターンオーバーは20代前半の人であれば、基底細胞から顆粒細胞まで平均して約14日間、角質細胞となって表皮からはがれ落ちるまで約14日間と、トータル約28日間を必要とします。ただし、日数は個人差が大きいと言われています。
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新しい表皮細胞は、皮膚の表面へと押し出されて、やがて角層の表面から垢となってはがれ落ちて角質細胞へと入れ替わっていきます。

たとえば、皮膚が日焼けしたり、肌が傷ついたりしても、時間が経てばもとの健康的な肌に戻るのは、ターンオーバーによって新しい細胞を引きだす再生力があるからこそ。

定期的に細胞が入れ替わることで健やかで美しい肌をキープすることができるのです。

ターンオーバーと美肌との関係

表皮のターンオーバーは、基底層で新しく作られた細胞が、ただ単に上へ上へと押し上げられているわけではありません。上へ押し上げられている過程で細胞は成長し、性質が変化します。

基底層は1層しかなく、その特性は細胞分裂を頻繁に繰り返し、角質細胞の元となるケラチンという線維状のたんぱく質(ケラチノサイト)や黒い色素を作るたんぱく質(メラノサイト)を作りだす点です。ケラチンは非常に頑丈で、角質層で丈夫な皮膚を作ったり、紫外線や異物を防ぐバリアの役割を果たします。

有棘層(ゆうきょくそう)では、その名のとおり棘が細胞同士を連結しています。4つの層の中で細胞にもっとも厚みがある層です。

顆粒層(かりゅうそう)では、2〜3層で肌の水分量をコントロールし角質を正常に機能するために必要なセラミドや水分を取り込む天然保湿因子(NMF)が作られます。

角質層で細胞核は破壊され、角化細胞は死を迎えます。セラミドなどの細胞間脂質は顆粒細胞内にあったもので、角質層では角質細胞と角質細胞の間を埋めるセメントのような役割を果たします。またや天然保湿因子は角質細胞の中にあります。

このように肌のターンオーバーは、単に細胞が入れ替わるだけでなく、健康的で美しい肌を作るためにとても大切な働きをしているのです。

ターンオーバーが乱れるとどうなる?

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ターンオーバーの周期は常に一定ではありません。年齢、環境、生活習慣、スキンケア習慣によって変化が生じます。

ターンオーバーが遅くなると

ターンオーバーが遅くなると、不要な角質がどんどん溜まっていきます(角質肥厚)はがれ落ちるべき皮膚が角質層に蓄積することで、肌はくすみます。シミの原因とされるメラニンもなかなか排出されず蓄積されます。蓄積されたメラニンは、色素沈着が起こり、シミとして残ります。

特に加齢はターンオーバーの乱れを生じさせる一因であり、20代の頃は28日周期だったターンオーバーも、30代では40日、40代では55日、50代ともなると75日とだんだんと遅くなっていきますそのほか、睡眠や運動不足、栄養バランスの悪い食生活など、生活習慣の乱れによっても引き起こされます。

ターンオーバーが速すぎると

ターンオーバーが速まると良いことと思われがちです。しかし、あまりに早すぎると問題が生じます。十分な角化が行われない未熟な角質細胞が、肌に露出してしまうからです。

正常な角質細胞でないために、天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質(セラミド)を保つことができず、角質内に水分を蓄える力がありません。また、バリア機能も低下しているので肌荒れや敏感肌になりやすいです。

ちなみにターンオーバーが一定の速度より早まってしまう原因は、紫外線による日焼け、乾燥、間違ったスキンケアによる摩擦が考えられます。外的刺激によってダメージを受けた肌は、少しでもダメージを受けた角質層をはがそうと必死に働くからです。

ターンオーバー周期は遅すぎても速すぎてもダメ!

美しい肌を保つには、表皮のターンオーバーは速すぎても遅すぎても問題があり、基底細胞の分裂から角質細胞としてはがれ落ちるまでバランスよく適度な速度で繰り返されることが大事です。

ターンオーバーを整える3つのポイント

肌のターンオーバーの乱れを正常に保つには、食事、紫外線対策、スキンケア、この3つの方向から改善していくことが大事です。

食事

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過度なダイエットや忙しさにかまけて食生活が乱れると、基底層の細胞にうまく栄養がいきわたらず、ターンオーバーの働きを妨げます。肌の新陳代謝を潤滑にするためにも毎日の食事内容が重要です。

「美肌づくり=ビタミン豊富な野菜」というイメージを持たれやすいですが、皮膚の新陳代謝を正常にする栄養素は、肉類や魚介類、大豆製品に多く含まれる「たんぱく質」です。特に動物性たんぱく質(肉類や魚介類、卵類)には、ケラチンの生成素材となるアミノ酸を多く含んでおり、適切な量を毎日摂るべきです。

もちろん、抗酸化ビタミンACEが含まれている食材も皮膚の老化防止に必要な栄養素なので、適度に毎日摂りましょう。どうしても栄養バランスが偏りがちになるのであれば、サプリメントの力を借りるのも良いでしょう。

紫外線対策

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紫外線によって皮膚に炎症が起こると、肌はそのダメージを早く回復させるため、ターンオーバーの速度を早めます。紫外線を浴びるとバリア機能が低下してしまうのは、未熟な角質細胞しか生まれないからです。肌のターンオーバーを正常に戻すためにも日頃から紫外線対策を行いましょう。

ただし、日焼け止めクリームをつかうことで肌荒れを起こす人も珍しくありません。紫外線吸収剤を使用したものは、皮膚上に微量のエネルギーを発生させるので、刺激が強くバリア機能を低下させる恐れがあります。また、シリコーン(合成ポリマー)も肌につけたら落ちにくい化合物なのであまりおすすめできません。

日焼け止めクリームを選ぶなら、紫外線散乱剤を使用したものを選びましょう。肌につけたときに白浮きしやすいというデメリットはありますが、酸化チタンや酸化亜鉛といった比較的肌にやさしい成分によって作られたものなので、肌に負担をかけにくいです。

紫外線散乱剤のみで作られたものは、「紫外線吸収剤フリー」「ノンケミカル」といった表記されていますので、商品を選ぶ際の参考にしてください。

スキンケア編

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ターンオーバーを整えるには、保湿ケアが非常に大切です。保湿アイテムとしては、肌内部のセラミドを増やす成分入りの化粧品を使いましょう。

セラミドは肌内部の水分を挟み込む性質があり、ふっくら潤いに満ちた肌づくりには欠かせません。セラミドによって肌が潤いに満たされると栄養や酸素が行きわたり、新陳代謝がうまく働くようになるからです。

セラミド配合のスキンケア化粧品を使うという方法もありますが、継続的に使い続ける必要があり、中止したら肌内部のセラミド量はすぐに戻ってしまいます。また、自分のセラミドとくらべると水分の保持力は落ちてしまいます。セラミドを増やすためには、セラミドの生成力を高めることができるスキンケア化粧品を使用するのが賢い選択です。

スペシャルケアとして週に1~2回ペースで角質ケアもおすすめします。角質ケアを行うことで肌の代謝が上がり、下から新しい皮膚西郷が生まれてきます。いわば、肌の若返り作用です。

ピーリングや酵素洗顔料は角質ケアの代表格ですが、その分、肌への刺激も強いです。角質ケアをするなら、穏やかに古い角質を除去できる天然成分でできたソフトスクラブ剤をつかうと良いでしょう。

まとめ

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繰り返しがちな肌トラブルや年齢肌のお悩みは、肌のターンオーバーのしくみを理解することで改善策も見えてきます。上記にあげたケアを実践し、いつまでも若々しい肌を保つようにしたいものです。

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