2019/07/11

抗酸化物質は肌に良いのはなぜ?化粧品に含まれる抗酸化力をもつ成分をチェックしてみよう!

抗酸化の働きを持つ成分の紹介とともに、抗酸化成分が含まれる化粧品を選ぶポイントについてまとめます。

肌がサビるともいわれる活性酸素の影響。シミやシワ、くすみなどの原因になるため、肌を美しく保つには酸化を防ぐ対策が必要です。そこで意識したいのが、「抗酸化物質」。化粧品に含まれる抗酸化力をもつ成分を知って、美肌を目指していきましょう。

抗酸化とは?

「抗酸化」ってよく聞くけど、一体なに?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
抗酸化とは、文字通り「酸化に抗う」という意味です。では、そもそも酸化すると何が悪いのでしょうか?
私たちは空気中から酸素を体内に取り入れます。体内に取り込まれた酸素の一部は活性酸素という物質に変化します。活性酸素はウイルスや病原菌を攻撃して私たちの体を守ってくれます。
しかし、活性酸素が増えすぎてしまうと健康な細胞にも攻撃をしかけダメージを与えてしまいます。このことを細胞が酸化すると言います。肌が酸化するとどうなるでしょうか?シミやシワ、くすみといった肌の変化が徐々に起こります。つまり、シミやシワなどのエイジングサインは加齢だけで起るのではなく、活性酸素の影響が大きいのです。今ではエイジングケアと言えば抗酸化と言われるくらい関連製品が数多く販売されています。年齢とともに進む酸化は、紫外線やストレス、化学物質による刺激などによって発生する活性酸素の影響も大きく受けています。健康的な肌を目指す際には、「活性酸素対策=抗酸化ケア」を取り入れれることが大切です。
◇活性酸素の種類◇
・スーパーオキシド
エネルギーを消費したり、体内に異物(ウイルスや細菌)が入った時に大量に発生します。

・過酸化水素
スーパーオキシドの発生により生成されます。強い毒性を持っています。

・ヒドロオキシルラジカル
過酸化水素の発生により生成されます。その毒性は活性酸素の中でも一番強く、細胞膜や遺伝子にダメージを与え、発がんの原因にもなります。

・一重項酸素
紫外線の光を浴びやすい皮膚や目元に発生し、老化を促してしまいます。

抗酸化の働きを持つ成分

活性酸素と同じようにその対策である「抗酸化対策」もさまざまです。まずは、抗酸化に役立つ代表的な成分を知っておきましょう。

抗酸化へのビタミントリオ「ビタミンACE」

ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEはそれぞれ抗酸化の働きを持つとして、「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれています。
・ビタミンA・・・ビタミンAには「ビタミンA」「ビタミンA前駆体」があります。
1)「ビタミンA前駆体」
体内に取り込むとビタミンAに変化するビタミン。別名プロビタミンとも言います。
ビタミンA前駆体の一種にβ-カロテンがあります。β-カロテンはニンジンに多く含まれていることで知られていて、免疫力やエイジング効果に働きかけてくれる栄養素です。

2)「ビタミンA」
油溶性。(水に溶けにくく、油に溶けやすい性質)
レバーや卵に多く含まれています。
皮膚のビタミンとも呼ばれるもので、皮膚や粘膜を健康に保つためにも欠かせない成分です。
ビタミンAが不足してしまうとウイルスに感染しやすくなってしまったり、視力が低下してしまうなど健康を脅かしてしまいます。
・ビタミンC・・・水溶性。(水に溶けやすい性質)果物などに含まれるビタミンCは、抗酸化物質の代表的存在です。ビタミンCは果物に多く含まれますが、その他、イモ類やレバーなどにも含まれます。
また、コラーゲンを作ったり、抗酸化力もあるため、化粧品にもビタミンCを使用することがあります。
ビタミンCは肌に良い働きをしてくれるのですが、化粧品に使用するには強い浸透剤を含む必要があります。肌は水分は弾き、油分を吸収する性質があるため、水に溶けやすいビタミンCは肌バリアによってブロックされてしまうからです。化粧品の場合はL-アスコルビン酸です。(プロビタミンCです)
・ビタミンE・・・脂溶性。(水に溶けにくく、油に溶けやすい性質)アボカドなどに含まれます。ビタミンEを大きく分けるとトコトリエノールとトコフェロールの2種類があります。
1)トコフェロール
オイルの酸化を防ぐ優秀な抗酸化物質です。天然の酸化防止剤や食品などに使用されています。

2)トコトリエノール
トコフェロール系と比べて、約40~60倍の抗酸化力*を持っているとされ、別名「スーパービタミンE」と呼ばれています。
スーパービタミンEは、単独でも働きかけるものの、ビタミンAやビタミンCの働きを助けてくれる作用もあります。限られたオイルにしか含まれないため、摂取が難しいですが、ぜひ取り入れていただきたいビタミンです。
参考文献:*「Free radical recycling and intramembrane mobility in the antioxidant properties of alpha-tocopherol and alpha-tocotrienol.」
*Free Radic Biol Med. 1991;10(5):263-75.
注意していただきたいのが、ビタミンを食べて摂取する場合、ビタミンAとビタミンEは体内に蓄積されるという点です。最近はサプリメントも数多く販売されていますが、使用方法や使用量を必ず守ってください。
なお、ビタミンCは体内で必要な量以上は排出されるので毎日摂る必要があります。ビタミンCは果物に多く含まれます。積極的に摂取しましょう。
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抗酸化酵素に関わる「ミネラル類」

私たちが生きるうえで5つの栄養素があります。5大栄養素と言われ、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルです。
その中でも注目したいのが「ミネラル」。ミネラルにも16種類あり、主要ミネラルと微量ミネラルに分けることができます。微量ミネラルは抗酸化ミネラルと言われ、抗酸化酵素(活性酸素を除去する)の働きを活発にしてくれます。
主要ミネラル・・・カルシウム、カリウム、リン、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム(7種類)

微量ミネラル・・・鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト(9種類)

体内でも作られる「酵素類」

抗酸化に働きかけてくれる成分は外部からだけではなく、体内でも作ることができます。
酵素の中でも抗酸化力を発揮するものがスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)です。活性酸素を無毒化してくれる酵素なので、健康な生活を送るためには必要不可欠ではありますが、生活習慣や環境により活性酸素を発生しやすい現代社会ではSODだけでは追い付かないのが現状です。
そこで、酵素を助けるために補酵素(コエンザイム)が注目されています。コエンザイムはヒトの体内で合成され、コエンザイムQ1からQ12まであります。中でも、よく知られている「コエンザイムQ10」は抗酸力に優れ、エイジングケア成分としても注目されています。ちなみにコエンザイムQ10は使用量制限がありますので、サプリメントなどから摂取する場合は必ず注意書きをお読みください。

強力な抗酸化作用を持つ「ポリフェノール類」

ポリフェノールと言えば、コーヒーやお茶、ワインなどに含まれているので、馴染みがあると思います。
ポリフェノールが抗酸化力に優れ、私たちも摂取しやすいと言われている理由は、植物が自分自身を守るために生み出した抗酸化物質だからです。植物は強い紫外線を浴びることが多いので、皮にポリフェノールを作り自分自身で活性酸素から身を守っています。葉っぱが枯れたりしないのもポリフェノールの働きです。ポリフェノールを含むものの中でも、イチゴの果実から抽出された「イチゴポリフェノール」はメラニンの生成を抑える働きがあるとして注目されています。メラニンはシミやそばかす、くすみの原因になります。
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抗酸化成分をスキンケアに取り入れるには

ご紹介したように、抗酸化力を持つ成分はたくさんあります。抗酸化物質は積極的に摂取したいところですが、食物のみから摂取するのは多くの食材を食べる必要があるため大変です。そこでおすすめなのが、スキンケアに取り入れていただくことです。ただし、上述したように、抗酸化成分はいろいろな種類があるものの、化粧品などのスキンケアに取り入れられているのはほんの一部です。
よく目にするのがビタミンCやコエンザイムQ10だと思いますが、化粧品を選ぶ時に注意していただきたいことがあります。繰り返しになりますが、ビタミンCは水溶性なので効果はあまり期待できません。場合によっては肌に刺激になることもあり、トラブルを招いてしまうことも考えられます。そもそも、化学物質から人工的に作られたビタミンなどを使い、少量を添加したとしても、その効果はあまり期待できないでしょう。ビタミンなどは他の微量な未知の栄養素と一緒に摂取することで効果を発揮する場合が多いです。

抗酸化を期待するのであれば、できるだけ自然に近い天然の成分を取り入れていただくことをおすすめします。

まとめ

エイジングが気になったら、ぜひ、お持ちのお化粧品に抗酸化成分を含んでいるものがあるかご確認ください。
化粧品に使われている成分について少しずつ知識を増やしていけば、広告の謳い文句に振り回されず、私たちの肌や体に本当に良いものがわかるようになります。また、成分の働きだけではなく、肌に優しいものなのか、安全なものなのかどうかも確認したいですね。

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