2022/04/05
太陽で老けるって本当!?「光老化」のしくみを理解しよう
長かった冬も終わり、ようやく暖かい日差しを感じるようになりました。そこで、心配になるのが紫外線。「真夏じゃないから」といって油断は禁物!春から始めるUVケアこそが、光老化対策につながります。 ところで「光老化」という言葉をご存じでしょうか。「紫外線による肌老化のことでしょう?」「普通の老化と何が違うの?」といった具合に何となく分かっているようで、はっきりと理解されていない人も多いはず。そこで今回は、光老化のしくみについて解説いたします。
目次
ところで「光老化」という言葉をご存じでしょうか。「紫外線による肌老化のことでしょう?」「普通の老化と何が違うの?」といった具合に何となく分かっているようで、はっきりと理解されていない人も多いはず。そこで今回は、光老化のしくみについて解説いたします。
「光老化」とは?
太陽光線を浴びやすい顔や首、手などに起こりやすく、光老化は、紫外線を浴びた時間と強さに比例します。若い頃から日焼けを気にせずに無防備に浴び続けている人は、紫外線による症状が出やすいです。
私たちの肌は加齢とともに老化していきます。ただ、加齢による影響は2割程度で、あとの8割は光老化によるものです。怖い話ですが、光老化は皮膚がんの発生にも関わっていることが分かっています。
加齢による老化と光老化の違い
皮膚の症状からお話します。光老化によって、皮膚はごわつき、黄ばみ、太くて深いシワができたり、シミも大きく濃くでます。ハリや弾力がなくなり、たるみも目立つようになるでしょう。顔や首、手の平など日光が当たりやすい部位に症状はあらわれます。普通の老化よりもはるかに症状が大きく、目立つのが特徴です。
光老化による皮膚組織の変化ですが、真皮内では、弾性線維(エラスチン)が変形する、膠原線維(コラーゲン)が機能しなくなり減る、表皮にメラニンが増えるなどです。
お年寄りの顔にはシミや深いシワが見られますが、これは明らかに光老化が影響しています。実際にお年寄りであっても日光を浴びていない太ももやお尻などは、色がとても白くて、柔肌です。もちろん、深いシワやシミなどは見られないですよね。
つまり、光老化とは、加齢によって起こる肌の老化とは別物で、太陽光線を浴びている時間が長い人ほど、でやすい症状であり、普通の老化よりも症状が大きく、ひどく表れてしまうのです。
光老化が起こるメカニズム
紫外線には、波長が長い方から順に、肌を黒くするA波(UVA)、肌に炎症を起こすB波(UVB)、地上に届かないため肌に影響を与えないC波(UVC)の3つに分けられます。波長が短いほど有害で、波長が長いほど肌の奥深くまで入り込みます。
紫外線UVAはシワに、UVBはシミに影響する
・波長が長くて、真皮まで届く
・皮膚を黒くする
・真皮の細胞に影響を及ぼし、シワやたるみの元に
・雲や窓ガラスを通過する
<紫外線UVB>
・波長が中くらいで、表皮まで届く
・皮膚に赤みやヒリヒリなど炎症を起こす
・メラニンを活性化させシミの元になる
紫外線UVBは表皮まで届き、色素細胞のメラノサイトを活性化、シミの元となるメラニンの生成を促します。大量のメラニンを発生させ、最終的にシミとなります。
紫外線だけじゃない、ブルーライト、近赤外線
太陽光線に含まれる可視光線や近赤外線は、紫外線よりも肌の奥へと届く、波長の長い光です。近赤外線によっては皮下組織や筋肉まで達するといわれています。真皮にダメージを与えることで、肌のハリや弾力は失われて、シワやたるみを招きます。
可視光線や近赤外線は、太陽光線だけでなく、私たちの身近な家電にも使われています。たとえば、スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは可視光線の一部であり、近赤外線は家電のリモコンに利用されています。
大手化粧品会社の研究調査によると、太陽光中に含まれるブルーライトは、室内の照明やパソコン、スマートフォンなどから発せられるブルーライトと比較して数百倍の強度があるそうです。
スマートフォンや家電のリモコンレベルの弱さであれば、それほど深刻になる必要はないですが、太陽光線に含まれる可視光線や近赤外線は肌に悪影響を与えることは確かです。無防備に日光を浴びないことが何より大事です。
※ ブルーライトによる肌への影響ですが、まだ解明されていない点も多いです。もし、気になるようでしたら、パソコンやスマートフォンの画面からブルーライトをカットするフィルムを貼ったり、ブルーライトをカットする眼鏡で目の周りの皮膚を保護するなどの対策をすると良いでしょう。
光老化を防ぐために春からすべきこと
たとえば、日差しの強い10時から14時の外出は避ける。日傘や帽子を着用する。室内にいても、車通勤であっても、UVAは窓ガラスをすんなりと通過するので室外と同じ様な対策を心がけるなど注意を怠らないでください。
そして、毎日のスキンケアやメイクと同じように日焼け止め(サンスクリーン剤)の利用も忘れてはなりません。
サンスクリーン剤の正しい選び方
SPA値とPA値
「SPA」がUVBのカット効果を表す表示で、「PA」はUVAのカット効果を示す表示です。両方の表示を必ずチェックしておきましょう。
日常生活では「SPA15」「PA+」の製品で十分ですが、適量より塗る量が少なくなってしまうという人は、「SAP30 」「PA++」の製品を選んだ方がいいかも知れません。もちろん、海やレジャーなどアウトドアシーンで使うなら、それ以上の数値のものを選ぶ必要があります。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤
紫外線を吸収して別のエネルギーに変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮します。透明度が高いので白浮きしない、伸びがいいというメリットがあります。紫外線のエネルギーを吸収するため、まれにアレルギー反応がでるため、使用できる吸収剤の配合量は法令で制限されています。肌がデリケートな人には向いていません。
【代表的な成分・・・パルソールA、メギゾリルSX、オキシベンゾンなど】
<紫外線散乱剤>
紫外線を肌表面で乱反射させて逃がし、肌内部への侵入を防ぐ働きがあります。散乱剤の性質から肌につけると白浮きしやすいというデメリットがありました。最近では、微粒子化や粉体形状コントロールで白浮きしにくく改善されています。成分が低刺激であるため、肌に負担をかけないという特徴があります。
【代表的な成分・・・酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、タルクなど】
ただし、乾燥肌やデリケートな肌の人は、化学成分(ケミカル)入りの紫外線吸収剤が肌に刺激を与えてしまう心配があります。ですから、「ノンケミカル」のものがおすすめ。
ノンケミカルのものは、酸化亜鉛や酸化チタンなど、紫外線を反射や散乱する粉体が使われています。これらの成分は、皮膚への安全性が高いです。肌トラブルを抱えている人、敏感肌の人にはおすすめでしょう。
塗る量をケチらない!しっかりと適量を塗る
実際に女性が使っている量は、適量といわれる量の半分という結果が出ています。たくさん塗り過ぎるとべたついて嫌だという人もいますが、せっかく塗っても効果が半減してしまったら意味がありません。かならず適量をしっかりと塗り、2~3時間おきに塗り直すようにしましょう。
UVカットのフェイスパウダーを重ねる
日焼け止め効果をうたったファンデーションもありますが、紫外線吸収剤を含んでいる場合も多いです。フェイスパウダーを選ぶ際は、紫外線散乱剤の成分(酸化亜鉛や酸化チタンなど)が配合されたものを選ぶようにしましょう。