2019/06/05

日焼け止めは無添加なら安心?やさしく肌を守ってくれる日焼け止め選びのポイント

無添加の日焼け止め商品が近年、注目されています。でも、本当に”無添加”の日焼け止めは肌に優しいのでしょうか?そこで今回は日焼け止め成分について徹底解説し、敏感肌のあなたがUVケア商品を選ぶ際のポイントを紹介します。

紫外線対策は肌を若く保つためには欠かすことはできません。とはいえ、いざ購入しようとすると店先ではSPF値やPA値を競い、便利だけれど刺激の強い日焼け止め商品であふれています。日焼け止めによる肌トラブルを予防するためにも、おすすめしたいのが無添加の日焼け止めを選ぶこと。今回は、紫外線から肌をやさしく守ってくれる日焼け止めの選び方についてお伝えします。

一般的な日焼け止めに含まれる成分を知ろう!

日焼け止めとは、その名のとおり、紫外線から肌を守り、日焼けを防ぐために使用するものです。紫外線が肌に届かないようにブロックする成分は主に2つ。「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」です。似ているようで紫外線を防ぐ仕組みが全く違うこの2つの成分。この二つの違いを分かりやすく説明していきますね。

紫外線吸収剤

高いSPF&PA値をもつ割に、比較的安価な日焼け止めによく使われているのが「紫外線吸収剤」です。肌表面に塗った日焼け止めが紫外線を吸収したあと、熱などのエネルギーに変換して放出する仕組みです。

メリット

紫外線カット効果が高く、透明で肌につけても白浮きしません。また、サラサラと使用感が良いのも特徴。

デメリット

肌の上で化学反応が起こり、肌への刺激も大きくなります。赤みやかゆみが出るといったアレルギー症状が起こることも珍しくありません。また、化学反応の性質上、活性酸素が発生し、シミやシワ・たるみの原因になる可能性もあります。シミを防ごうとしてUVケア商品を使ってシミができたのでは本末転倒ですよね。
紫外線吸収剤の具体的な成分名としては、次のようなものがあります。
・メトキシケイヒ酸オクチル
特に赤くなる日焼けの原因であるUV-Bの吸収に優れている。皮膚への刺激が強く、アレルギー性皮膚湿疹の恐れが。発がん性も懸念されている。また、近年は環境ホルモン作用があることがわかっており、この成分は、女性ホルモンだけでなく、男性ホルモンや甲状腺ホルモンもかく乱することが示唆されています。

・オキシベンゾン-3
UV-AからUV-Bまで幅広く紫外線を吸収できます。ただし皮膚から体内への吸収率が格段に高く、疫学調査で母親の尿中の濃度が高いと生まれる子どもの体重や頭の大きさに影響がでることが確認されています。その他、光アレルギー反応や免疫器官の毒性との関連性があり、発がん性物質や内分泌腺の破壊、生化学的な細胞の変化などが懸念されています。

・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
紫外線に対してムラなく安定した吸収作用があります。こちらも皮膚が強く、アレルギーの原因となる恐れが。そもそも安息香酸は目・鼻・喉を刺激すると指摘されている成分です。
メトキシケイヒ酸オクチルとオキシベンゾン-3は、アメリカ食品医薬品局(FDA)が日焼け止めに関して最も安全性が懸念されると指摘している成分です。環境への懸念からハワイではこれらを使った日焼け止めが販売中止になりました。なお、これらの成分が配合されている日焼け止めは日本の大手化粧品メーカーからも発売されています。

紫外線散乱剤

こちらも多くの日焼け止めに使われている粉状の成分。紫外線散乱剤は、紫外線を散乱させる成分が、物理的に紫外線を跳ね返し、反射させて紫外線を防ぐものです。具体的な成分としては、酸化チタン、酸化亜鉛があります。

メリット

紫外線吸収剤とは異なり、肌の上で化学変化が起こらないため、肌への負担は少ないです。

デメリット

白浮きしやすく、液が分離しやすいです。(SPF値やPA値をあげようとすると粉体の量を上げる必要があるため)
このように紫外線散乱剤は、紫外線吸収剤よりもずっと肌に優しく安全な成分です。しかし、紫外線吸収剤は簡単に高いSPF値を実現でき、使い心地も良いことから市販のほとんどすべての日焼け止めに使われています。

添加物

UVケア商品には紫外線対策になる成分だけでなく、一般的な化粧品同様に、合成界面活性剤や防腐剤、香料、着色料といった様々な添加物が含まれています。
添加物の中で注目してほしい成分は、
・ジメチコン
・ホリメチルシルセスキオキサン
・ポリシリコーン
・トリメチルシロキシケイ酸
など、石油由来の化学物資であるシリコーンや合成ポリマーです。これらの成分は水に強いので、汗をかいても日焼け止めが落ちません。長時間日焼け止め効果を保つために、これらの成分が大量に配合されています。しかし、これらの成分が大量に配合されていると簡単には洗い流すことはできません。(見た目には落ちているように見えて実は、落とせていないので厄介です)紫外線吸収剤のような刺激の非常に強い成分が何日間も肌に留まるので、 肌荒れや乾燥、老化の原因にもなりかねません。
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肌への負担が少ない日焼け止めを選ぶ4つのポイント

多くのメーカーが日焼け止めを提供しており、「肌にやさしい」「無添加」 といったキャッチコピーが紹介されています。たくさんありすぎて、結局、どれが良いのか迷ってしまうという方に向けて、おさえておきたい3つのチェックポイントをお伝えしましょう。

「無添加」の内容を詳しく確認する

「無添加」と表示されている日焼け止めであっても、よく見てみると石油由来の化学成分が使われている商品もあります。無添加なのに化学物質を入れてもよいの?と思われるかもしれませんね。実は 「無添加」には明確な基準がないので、何が「無添加」なのかはメーカーの判断で変わります。たとえば、香料が使われていなければ、 「香料無添加」となり、また、着色料を使用していなければ 「着色料無添加」となるため、無添加日焼け止めとして肌への優しさをアピールされることがあります。広告に踊らされることなく、実際にどんな成分が使われているのかチェックして、出来るだけ化学成分の少ない物を選びましょう。
例えば、前述したシリコンは配合されていないものを選んでください。

「紫外線吸収剤」より「紫外線散乱剤」を選ぶ

紫外線吸収剤は肌への負担が大きく、安全性にも不安があります。一方で、 紫外線散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛といったミネラルが使われており、肌上での化学反応がないので肌には優しい成分です。 アメリカFDAも日焼け止め効果のある成分の中で、安全と判断するものは紫外線散乱剤である、「酸化チタン」と「酸化亜鉛」であると見解を示しています。
肌へのダメージや安全面を考えたら紫外線散乱剤 を選びたいですね。ただし、両方が使われている場合もあるため注意が必要。酸化チタン、酸化亜鉛が配合されているだけで飛びつかず、先ほど挙げたような刺激の強い紫外線吸収剤が含まれていないかどうかをしっかりチェックしましょう。

ナノ化された成分について

ナノとは大きさの単位で【ミリメートル>マイクロメートル>それより小さい単位がナノメートル】です。ナノ化化粧品とは、粒子をナノ単位まで小さくした成分を使った化粧品を言います。ナノ化された有効成分が肌の奥までしっかり届くということで、一時期話題になりましたが、現在では体内や環境への影響を不安視する声があがっており、ナノ化された成分を避ける方も増えているようです。

日焼け止めに使われている紫外線散乱剤の酸化チタンなどは、その弱点(白浮きしやすい・キシミやすい)を改善するためにナノ化されている場合があります。ナノ化された酸化チタンは体内に侵入しやすいと考えられ、安全性を疑問視する声もあります。しかし、国内外の研究機関による報告によると、ナノ化された酸化チタンや酸化亜鉛が液体に配合されている場合、角質層より奥には入りません。液体に含まれる、ナノ化された酸化チタンや酸化亜鉛は、単体で存在せず、いくつも個体が一つの塊として存在して、角質より奥に入る事できないためです。この塊は凝集といって簡単にはバラバラにならないほど強力な力でくっついています。塊は通常500〜1000ナノメーター(1ミクロン)程度の大きさになります。これに対し、肌細胞の間隔は50〜60ナノメーターで、肌細胞の隙間から体内に浸透することはありません。

なお、粉体のナノ化された酸化チタンや酸化亜鉛は空中に舞って、肺に侵入し、体内に運ばれるリスクがあります。最近は粉やスプレータイプの日焼け止めも増えています。これらの日焼け止めにナノ化された酸化チタンや酸化亜鉛が使われているか?については成分表からは判断できませんので、メーカーに直接問い合わせて確認する必要があります。
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必要のない過度なSPF値は避ける

市販されている日焼け止めのSPF値は年々数値が上がっていって今はSPF30以上のものが主流のようです。でも、本当に30以上のSPF値は必要ですか?
そもそもSPFとは何の数値かご存知ですか?

・SPFとは Sun Protection Factor(サン プロテクション ファクター)の略。UV-Bによって肌が赤くなる(ダメージを受ける)までの時間をどのくらい遅らせることが出来るかを測定したものです。一般的にUV-Bによって肌が赤くなる(ダメージを受ける)時間は 約20分 です。

SPFはそれを「何倍遅らせることが出来るか?」の数値なので、
例えば・・・
・SPF20の日焼け止めは⇒20分×20(SPF値)=400分(6.6時間)
・SPF50の日焼け止めは⇒20分×50(SPF値)=1000分(16.6時間)
お肌を紫外線から守ってくれます。(※ただし、ヨレたり崩れたりしない場合)
ここで疑問。そもそも一年で最も日が長い6月でも東京の平均日照時間は14時間。本当にそこまで高いSPF数値の日焼け止めは必要なのでしょうか?ちなみに東京都健康安全研究センターによると、必要なSPF値の目安は次に通りです。
・日常生活・・・SPF10~15
・屋外での軽いスポーツやレジャー・・・SPF15~30
・炎天下でのレジャー、リゾート地でのマリンスポーツなど・・・SPF30~50
高いSPF値のものを使っていてもよれたり、崩れたりしたら塗り直す必要があります。どうせ塗り直す必要があるのですから、普段の生活をしている私たちは中程度(SPF15〜20)のUVケアを使い、お化粧直しのタイミングで塗りなおせば十分ではないでしょうか?

洗い流しやすさも要チェック

日焼け止めのなかには、水をはじくウォータープルーフタイプがあります。前述のシリコーンを沢山配合したものがウォータープルーフタイプになります。このメリットは、ずはり「落ちにくさ」夏の汗や、海やプールで濡れても取れない日焼け止めには、当然強い洗浄力を持ったクレンジングが必要です。強いクレンジング剤は当然肌への負担となり、日焼け止め&クレンジングでお肌はダブルのダメージを受けてしまいます。一方、水で簡単に流れ落ちてしまう日焼け止めは、簡単に落ちてしまい、肝心の日焼け止め効果が半減してしまいます。塗り直す手間が面倒ですが、肌の負担を考えれば、石けんで洗い流せるタイプのUVケア商品を断然おすすめしたいです。

無添加日焼け止めの上手な使い方

化学成分を含まない無添加の日焼け止めは、「紫外線散乱剤」となる酸化チタンや酸化亜鉛を含みます。その特徴から、日焼けが気になる部分全体に薄く行き渡らせるような塗り方が最適。塗りもれがあると、反射力が低下し、紫外線予防の効果も低下してしまいます。化学成分の入っていない日焼け止めは汗で流れ落ちやすいため、 (2~3時間程度に1回は塗りなおしてください。

帽子や手袋などと併用しよう

日焼け止めだけでなく、日傘や帽子や手袋といった物理的な紫外線予防策もとても効果があります。現在はカーディガンやストールなど、UVカット効果のある生地でできた様々な商品がありますので、シチュエーションに合わせて上手に取り入れましょう。また、サングラスによる目の日焼け防止も肌の日焼け防止にとても重要です。何故?と思うかもしれませんが、目が日焼けをすると、実は肌も日焼けをします。これは角膜が紫外線を吸収すると、脳にメラニン色素を作れ!という指令を出すからなのです。

まとめ

数ある化粧品の中でも、肌への負担が大きい成分は使われている日焼け止め。なるべく肌へのダメージを避けようと選んでも、実はそうでないことも。無添加と表示されていても、その他の化学成分を含んでいることがあります。どんな成分が使われているかをしっかりチェックして、肌にやさしい素材を選びたいですね。

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