2022/05/20
日焼けで肌が赤くなるのはなぜ?黒くなる人との違いを解説
ちょっと紫外線を浴びただけで肌が真っ赤にヒリヒリしてしまう人とすぐに黒くなる人がいます。同じ太陽の光を浴びているのにどうして日焼けに違いが出るのでしょうか。日焼けで肌が赤くなる人、黒くなる人の違いについて解説いたします。
目次
日焼けには2つの症状がある
海水浴や山登りなどアウトドアなどで紫外線を浴びると、肌が赤くなり、ほてった感じやヒリヒリと痛くなったりします。この日焼けをサンバーンといいます。
サンバーンは、UVB(紫外線B波)を大量に浴びた結果、皮膚の血管が拡張し、炎症を起こす日焼けです。紫外線を浴びてから約3~6時間で皮膚に赤みが生じ、約24時間後にピークを迎えます。皮膚が赤くなって3日後くらいから徐々に赤みが引いていき、その後サンタンや肌荒れを起こします。
◇サンタン(色素沈着)
サンバーンが起こってから、4~7日ぐらいになると皮膚の赤みが治まりますが、その後皮膚は黒くなります。この症状をサンタンといいます。
サンタンは、UVB(紫外線B波)、あるいはUVA(紫外線A波)を大量に浴びた後に皮膚内でメラニンを作る細胞(メラノサイト)が増えて大型化します。その中でチロシナーゼの活性化が高まり、メラニン合成が進みます。その結果、皮膚が色素沈着を起こして黒くなるという日焼けです。
サンタンにはすぐに黒くなる日焼け(即時型色素沈着)と、赤く日焼けしたあと3~4日目くらいから肌が黒くなる日焼け(遅延型色素沈着)の2パターンがありますが、どちらもほてりやヒリヒリ感などの症状はありません。
紫外線による肌の反応は人それぞれ
その違いは、皮膚内にあるメラニンの量が関係しています。
メラニンには、皮膚の奥まで紫外線が届かないように防御する役割があります。メラニンが紫外線を吸収することで、その奥の真皮まで届かずに、皮膚の病気やシミやたるみなど光老化の予防をしてくれるのです。
もともと色黒の人はメラニンを多く持っています。そして、紫外線を浴びると黒く日焼けします。逆にメラニンが少ない人は、色白の人が多く、日焼けするとすぐに炎症し、肌は赤くなります。
たとえば、白色人種の人はメラニン量が少ないため、紫外線を浴びるとすぐに赤くなりますが、その後、肌は黒くなりません。メラニン量が少ないので紫外線の影響を受けやすくて、シミやたるみなど光老化や皮膚がんになるリスクが高くなるといった特徴を持っています。
日本人のスキンタイプは3つ
この中でメラニン量が少ない色白の人に多い<スキンタイプ1>の人は日焼けに対し特に注意していただきたいです。もともとメラニンは紫外線を吸収し、皮膚細胞が傷つくのを防ぐ役割を持っていますが、メラニンが少ない<スキンタイプ1>の人は、日焼けしても肌が黒くなりにくいかわりに、光老化(シミやシワ、たるみ)を起こしやすいです。
光老化は、皮膚のごわつき、黄ばみ、太くて深いシワ、シミを引き起こします。コラーゲン線維を壊すことで、ハリや弾力がなくなり、たるみも生じさせる恐ろしい働きを持っています。
<スキンタイプ1>はもちろん、他のスキンタイプの人も日頃から紫外線対策についての知識を身につけてしっかりとUVケアをすることをおすすめたします。
日焼けしないためのお手入れ
SPF値とPA値の目安を知ろう
平均的な日本人は日光に当たって20分でサンバーンを起こすといわれているので、SPF15の場合は20分×15倍となり、300分間(5時間)まではサンバーンの予防効果が持続するということになります。
PA値はUVA(紫外線A波)に対する防御効果を表したものです。皮膚が黒くなるまでの時間を2~4倍に伸ばすものをPA+、4~8倍に伸ばすものをPA++、8倍以上であればPA+++と表示されます。
また、今はUVA防止効果が極めて高いPA++++まであります。
ただ、炎天下でのアウトドアなど紫外線が強い状況下で過ごさなくてはならない場合は、【SPF 50】【PA+++】といった具合に最高値のもので対応した方が無難です。また、マリンスポーツや海水浴などでは耐水性のものを使用しましょう。
しかし、SPF値30のものを塗っても、塗りムラがあったり、量が少なければSPF10程度の効果しか得られないこともあります。使用量を守らないとUVカット効果が得られませんので、表示の適用量をしっかりと塗りましょう。
どうしても紫外線クリームのべたつきが嫌という場合は、頬骨あたりだけでも多めに塗るなど工夫しましょう。
日焼け止めとフェイスパウダーのダブル使い
フェイスパウダーの微粒子は、紫外線散乱剤の作用と似ています。それにフェイスパウダーはリキッドやクリームと比べると界面活性剤の配合量が少なく、肌荒れの心配がないところも安心できます。
紫外線吸収剤フリー、ノンケミカルを使用する
これらは、紫外線散乱剤といって紫外線を肌の上で反射させることで紫外線を肌内部に入れないようにします。紫外線吸収剤のように化学物質を使っていないので肌にやさしいです。
紫外線錯乱剤の代表的な成分は、酸化チタン、酸化亜鉛などがあります。若干肌が乾燥しやすくなりますが、かぶれなどの心配はないでしょう。
念入りなUVケアが必要なシチュエーションとは?
たとえ涼しくても山の上や高原など標高が高いところでは紫外線の量が増えますのでご注意を。普段のウォーキングやジョギングであっても油断は禁物です。
生理前は黄体ホルモンの分泌が高くなります。黄体ホルモンは紫外線の感受性を高める作用があるため、生理前は日焼けしやすいです。
妊娠中やピルの服用をしているときも同様です。生理前、妊娠中、ピルの服用時は、いつも以上にしっかり紫外線対策をおすすめします。
また、汗をかいたり、長時間紫外線に浴びる場合は日焼け止めの塗り直しも行った方が安心です。
日焼けで赤くなった場合のアフターケア
日焼けで真っ赤になっていたら、なるべく早く赤くなっている部分を冷やします。日焼けは軽度のやけどを負った状態ですので、熱を取るために冷却することが大事です。
・流水をかける
・氷水で絞った冷たいタオルを当てる
・保冷剤を包んだタオルを当てる
冷やす時間ですが、肌のほてりが落ち着くまでしっかりと冷やし続けましょう。
<ステップ2> 保湿する
ほてりが落ち着いたら、十分に肌を保湿することが大事です。紫外線によって炎症した肌はとても乾燥しています。化粧水や美容液、パックで十分には肌に水分を補給してあげることでカラカラに乾いた肌がうるおいを取り戻します。
水分を十分に肌に与えたら、オイルやクリームなどの油分でふたをします。日焼けしたあとの皮膚のバリア機能は低下しているので、いつも以上にたっぷりと保湿ケアすることが重要ですね。
<使用するスキンケア化粧品に注意!>
日焼け後の炎症している肌はとてもデリケート。敏感肌と同じ状態ですので、いつも使っているスキンケア化粧品でもヒリヒリやかゆみが生じてしまうこともあります。特にアルコールや美容成分がたっぷり配合されたものは、日焼けしたばかりの肌には刺激が強すぎるので避けてください。
日焼け後の肌はできるだけシンプルで低刺激な成分のスキンケア化粧品を使って下さい。肌の症状によって使い分けできるように、普段から低刺激なスキンケア化粧品を用意しておくことをおすすめします。
まとめ
これからの季節、紫外線の強さはどんどんと増していきます。しっかりとしたUV対策と日焼け後のお手入れで大切な肌を紫外線から守りましょう。