2019/07/18

無添加シャンプーっていいの?選ぶ時にチェックしたいポイント

多くのメーカーが提供している無添加シャンプー。多くの製品からどれを選べばよいのか?特にアレルギーがあったり、肌が弱い方は悩みますよね。そんなあなたに向けて、無添加シャンプーと一般的なシャンプーの違いと、無添加シャンプーを選ぶ際のポイントを紹介します。

ドラッグストアには多種多様なシャンプーが並んでいますよね。あなたは何を基準に選んでいますか?泡立ちや香りも重要ですが、できるだけ髪や頭皮への負担の少ない無添加シャンプーを選びたいという方が増えています。少し前に一世を風靡したノンシリコンシャンプーもこれまでのシャンプーでは満足できない女性の声を反映して開発されたものです。しかし、市場に多くの無添加シャンプーが氾濫する中で、どれを選べばよいのか分からず悩んでいませんか?今日は無添加シャンプーと一般的なシャンプーの違い無添加シャンプーを選ぶ際のポイントを紹介していきます♪

「無添加」の表示に関するルールはない

実は「無添加」という表示をするにあたっては決まった定義や法の縛りはありません。そのため「何をもって無添加とするのか?」は各メーカーが自由に決定することが出来ます。メーカーが独自に判断した「ある成分」が配合されていなければ、勝手に「無添加シャンプー」と宣伝することが出来るのです。
そのため、商品ごとに「何が無添加なのか?」を確認する必要があります。特に肌の弱い人やアレルギーを持っている人は、表示成分表をしっかりとチェックしましょう。

無添加は過去の遺物?

「無添加」には2001年まで明確な基準がありました。厚生労働省が1980年に義務付けた表示指定成分(アレルギーを起こす可能性がある成分103種〈102の原料+香料〉の添加物)を含んでいないシャンプーが無添加シャンプーだったのです。(2019年現在は、全成分表示が義務付けられているため、旧表示指定成分は特別な扱いはされていません。しかし肌トラブルを起こしやすい成分であるため、注意が必要な成分です。)
これらは「旧表示指定成分が無添加」と記載されることもあります。ただし旧表示指定成分が入っていないからといって、化学成分を含まないわけではありません。
【旧表示指定成分の廃止の背景】
1980年以降、表示義務のあった旧表示指定成分ですが、実は表示指定成分以外にも危険性が高い成分はたくさん存在していて、旧表示指定成分を含んでいない商品を使った消費者から問題が上がっていました。そこで2001年に薬事法が改正され、全成分表示が義務付けられました。
全成分表示になることで、どの成分が有害物質なのか、判断しにくくなったという声もありますが、消費者が知識を持てば、一つ一つの成分の安全性を自身でチェックすることが出来るようになりました。

無添加=オーガニックは間違い

[無添加=化学物質が入っていない=天然成分=オーガニック]と思っていませんか?
これらは別物です。
繰り返しになりますが、メーカーが決めた成分を無添加というだけでお他の化学成分は配合されているかも知れません!ですから無添加は、「天然成分だけで出来ている」ことを意味しませんし、オーガニックシャンプーというわけでもありません。
ちなみに、日本には化粧品やシャンプーのオーガニック認定機関がありません。そのためオーガニックシャンプーとうたってもオーガニック成分を使っていないこともあります。また、海外の機関でオーガニック認定を受けたシャンプーでも、化学成分が入っていないとは限りません。認定機関の認めた一部の石油系化学物質が配合されている可能性があります。つまり、成分を見て、石油系化学物質が配合されていないのかをチェックしなければ天然成分かどうかはわからないんです。
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まずは知っておきたい一般的なシャンプーについて

無添加シャンプーの選び方の前に、まずは、一般的なシャンプーの成分や特徴について確認してみましょう。代表的なのは以下の4種類があります。
・高級アルコール系シャンプー
成分名に「硫酸」と入っているもの。高級アルコールを原料とした洗浄剤で、石油系界面活性剤ともいわれます。洗浄力が強くて泡立ちが良いうえに、安価であることから、一般的なシャンプーに多く使用されています。
皮膚への刺激が強く、洗い流した後、環境にも悪影響を与えます。

主な成分として次のものがあります。
・ラウリル硫酸Na
合成界面活性剤。代表的な発泡・洗浄剤です。高い洗浄力があるため、以前は広く使われていました。しかし、必要以上に皮脂を奪い、肌を乾燥させ、強い刺激で頻繁に肌荒れを引き起こしました。そのため最近ではあまり使われなくなりました。分子が小さいので肌を通して非常に刺激が強い上、体内に入る経皮毒の恐れもあります。

・ラウレス硫酸Na
最初に開発されたラウリル硫酸Naの分子を大きくして肌への浸透を抑え、刺激を緩和させたものです。高い洗浄力と起泡力(泡立つ力)は強みではありますが、依然として肌への刺激が強いのが難点です。

その他、代表的高級アルコール系界面活性剤には、ラウレス-3硫酸アンモニウム・ラウリルエーテル硫酸Na・ラウレス硫酸TEAなどが挙げられます。
※高級アルコールと言うと、上質なもののような気がしませんが?しかしこの場合は違います。この場合の「高級」とは分子中の炭素の数が多い物を指します。
「高級」という言葉に惑わされないでくださいね!
また、この場合のアルコールはエタノール(アルコールが化粧品として使われる際の名称)ではありません。もともとの原料(ラウリル硫酸Naならラウリルアルコール)のこと指します。
・オレフィン系シャンプー
高級アルコール系シャンプーが髪と頭皮に良くない・・・ということが世間に浸透しつつあるため、それに代わって最近配合されることが多くなったのがこちら。
主な成分はオレフィンスルホン酸Naオレフィン(c14-16)スルホン酸Naなど。
ヤシなどの植物由来の成分なので刺激が若干抑えられています。高級アルコール系ほどではないですが、洗浄力と刺激が強いのが特徴。「髪に優しい」とうたうアミノ酸系シャンプーの洗浄力の弱さを補うために配合されることが多いため。髪への優しさを目的にアミノ酸シャンプーを選んだものの刺激を感じることも。成分表はしっかり確認しましょう。
・石けん系シャンプー
石けん素地(カリ石けん素地)石けん分(純石けん分)脂肪酸ナトリウム脂肪酸カリウム、が主成分のものが石けんシャンプーです。環境や人体に害のある成分が含まれていないものが多いのが魅力です。洗浄力は高くさっぱりした洗いあがり。きしみやパサつき、ベタつきが起こりやすい点が難点です。最近はそれらを緩和した商品も登場していますが、緩和剤をチェックする必要があります。
・アミノ酸系シャンプー
ラウロイルメチルアラニンNaココイルグルタミン酸Naなどを主成分にしたもの。刺激が少なく、髪と地肌を守りながら洗浄できます。潤いと自然なツヤのある洗いあがりが特徴ですが、洗浄力が弱いのと、原価が高いため高価格になるのが難点。

シャンプーに使われる添加物の種類

≪防腐剤≫
バスルームという高温多湿に置かれるシャンプーは雑菌が繁殖しやすい状況。防腐剤は不可欠ですが、化学成分から出来た防腐剤は頭皮には刺激になることも。
代表的なものとして「パラベン」があります。
・パラベン
パラベンの正式な名前は『パラヒドロキシ安息香酸エステル(別名:パラオキシ安息香酸エステル)』。微生物、特にカビや酵母の腐敗防止に効果的と認められているため、広い分野でよく使われていますが、わずかながらエストロゲン(環境ホルモン)の働きがあります。また、乳ガン組織からパラベンが検出された例が報告されています。

【表示名】
メチルパラベンエチルパラベンブチルパラベンプロピルパラベンベンジルパラベン
≪着色料≫                                  
シャンプーに着色料が使用されているということは、あまり意識したことがないかもしれませんね。しかし、ほとんどのシャンプーには色を付けるための色素成分が使われています。これはシャンプーの本来の色を消し、商品のイメージを良くするために付けられます。例えば、清潔感のある白、自然の恵みを感じる緑色など。また、合成着色料で着色すれば、経年で色が変化しても分からないために色をつける場合も多いようです。
主に使われるのが「タール系色素」です。
・タール色素                                   
石油をもとにした成分からできている。発がん性の疑いもある成分です。              
 【表示名】
赤色○号黄色〇号など。
≪合成香料≫
シャンプーは香りも重要なポイント。シャンプーには頭皮の匂いを分からなくするために強い香りがつけられることが多いです。また、「良い香り」を求めてシャンプーを購入する消費者が多いため、シャンプーにとって香りはとても重要な要素。大手メーカーでは香りにバラツキが出ないように、シャンプーにはほぼ合成香料が使われています。
合成香料に含まれる化学物質に対してのどの痛みや咳・頭痛と言ったアレルギー症状を起こす場合があります。

【表示名】
香料(とだけしか表示義務がありません)
※成分表以外の場所に「無香料」「合成香料不使用」などと書かれていな場合は、ほぼ合成香料が使われています。
私たちは皮膚への刺激・アレルギーや環境への影響を考えると合成香料と合成着色料が最も避けるべき成分だと考えています。
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無添加シャンプーを選ぶ4つのポイント

では、具体的に無添加シャンプーを選ぶ際のポイントをお伝えしますね♪

ポイント1:どんな素材のシャンプーか?

そのシャンプーの洗浄成分をまずチェックしてください。無添加シャンプーの多くは石けん系やアミノ酸系です。頭皮や髪に優しいシャンプーを求めるなら「無添加」とうたわれているものの中でも、石けん系やアミノ酸系を選んだほうが良いでしょう。そのうえで、洗浄力をはじめとする特徴を確認して、自分に合ったものを選んでください。

ポイント2「何が無添加なのか」を見極める

無添加といっても、メーカー独自の判断になるため、何が無添加なのかを確認しておきましょう。例えば合成香料を使っていないだけで「無添加!」と大きくうたっているものも。
宣伝やパッケージに惑わされずに、後ろの成分表示をしっかりチェックしましょう!

ポイント3「〇〇無添加」の代わりに使われているものをチェック

ある成分が無添加だとしても、その代用品として何が使われているかを確認すること。たとえば、石油系防腐剤であるパラベンが不使用で「無添加」とされていても、石油由来の防腐剤であるフェノキシエタノールが使われていることも。化学成分を避けたいのであれば、天然由来の防腐剤が使われていることを確認しましょう。

ポイント4:どんな由来の原料を使っているか?

石油系のものは避けて、天然成分のシャンプーを選んだとしてもそこにも落とし穴があります。「キャリーオーバー成分」と呼ばれるもので、原材料を防腐したり酸化を防止する目的で配合される防腐剤(パラベンやフェノキシエタノールetc.)・酸化防止剤(BHA、BHTetc.)などを言います。これらの成分はシャンプーには入っているのですが、記載しなくても良い決まりになっています。そのためキャリーオーバー成分は全成分表示では分かりません。メーカーが成分表示についてどのような方針(キャリーオーバーまで含めて表示すると明示しているのか?など)を持っているか?メーカーの姿勢をチェックする必要があります。

質の高い無添加シャンプーを選ぼう

無添加シャンプーと一口に言っても、その品質はさまざま。安心して使用できるものを選ぶためには、まず、成分についての基礎知識を持つことが大切。「無添加」という言葉に踊らされることなく、購入前に成分をしっかりチェックし、「どの成分が無添加なのか」を確認しましょう。また、シャンプーは石鹸シャンプーを除いて、天然成分のみで作るのが非常に難しいアイテム。何を無添加にすれば良いのか?私たち個人個人が決め、そのうえで自分自身の髪質に合ったものを選びたいですね。

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