2019/04/03

”ゆらぎ肌”になってない?春先に起こりやすい肌不調をケアしよう

春先に起こりやすいゆらぎ肌。その要因のひとつに、バリア機能の低下があります。ゆらぎ肌になってしまう理由と対策法について紹介します。

日に日に暖かくなり、ウキウキと心弾む季節のはずが、春先になると何だか肌の調子が悪い・・・ということはありませんか?こうした一時的な肌不調を”ゆらぎ肌”といいます。ゆらぎ肌の原因と対策を知ることで、この季節を快適に乗り切り、肌を美しく、健康に保つためのポイントをお伝えします。

”ゆらぎ肌”とは?

ゆらぎ肌とは、季節の変わり目などにニキビができたり、乾燥したりと肌が不安定になって、肌荒れを起こしやすくなる状態をいいます。人によっては一時的にシミが濃くなることも。原因はさまざまですが、新生活によるストレスや寒暖差の影響、ホルモンバランスの乱れ、花粉による刺激などによって起こる女性には悩ましい症状です。

ゆらぎ肌になってしまう原因

冬の乾燥で弱った肌を寒暖差や紫外線が刺激

秋から冬にかけての空気の乾燥で、皮脂の分泌量が減り、皮脂膜による「肌のバリア機能」が弱りがちになる春先の肌。そこに、昼夜の寒暖差(気象庁のデータによると東京の4月の寒暖差は最大で15度!)や、急激な紫外線の増加といったストレスが肌にかかります。肌ストレスは皮脂分泌を不安定にしてしまうことから、「肌のバリア機能」はさらに弱くなります。もともと乾燥肌の人は特に注意が必要です。

アレルギー性皮膚炎

春は何と言っても花粉の季節。3月~5月にかけてはスギ・ヒノキ・イネなどの花粉の飛散量がピークに達します。加えて春は大陸からの黄砂やPM2.5などの化学物質も風に乗って運ばれてきます。これらの「季節性アレルゲン」は肌に付着し、炎症などの肌トラブルを起こします。炎症によって過敏になった肌は通常のスキンケアが使えなくなることも。もともとアレルギー体質の方だけでなく、普段アレルギーのない方もこの季節は要注意です。

ストレスによるもの

気付かないうちに肌にも悪影響を与えているのがストレス。春は就職や進学、人事異動、引っ越しなどで生活環境が変わりやすい季節。慣れない生活によって、ちょっとしたストレスが溜まりやすくなります。そのストレスも「ゆらぎ肌」を起こす大きな要因。肌はとてもデリケートで、心と体とは密接につながっています。過度なストレスは血管の収縮をまねき、肌に取り込まれる酸素や栄養素が減少します。その結果、肌の生まれ変わりの周期(ターンオーバー)を乱してしまうことに。また免疫機能の低下も引き起こすので、「肌のバリア機能」の低下をもたらします。さらにストレスは副腎皮質刺激ホルモンを多く分泌させることが指摘されています。このホルモンは、「メラニン色素」の産生を促すと言われています。「メラニン色素」が必要以上に作られてしまうと、シミ・そばかすを増やしてしまいます。

男性ホルモンの増加

肌にとっては1~3すべてがストレス。女性の場合、ストレスが多いと男性ホルモンが増加すると言われています。女性ホルモンは皮脂のバランスを整えて「肌のバリア機能」を高める働きがある一方、男性ホルモンは皮脂の分泌を活発にし、やや過剰になることも。男性ホルモンが優位になるとニキビなどが増えやすくなりだけでなくバリア機能が低下するとも言われており、肌が不安定な状態になります。

ゆらぎ肌に負けない肌づくりのポイント

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肌バリアを元気にする

肌の「バリア機能」とは、肌の角質層が担う乾燥と外部刺激から肌を守る役割のことです。なお、角質層の厚さはラップと同じくらいで、わずか0.02mm。こんなに薄いのに角質層には私たちの肌を美しくしてくれるメカニズムが備わっています。肌が健康的な人は次の2つのバランスが整っていることで、バリア機能が十分に働き、トラブルの起こりにくい状態になっています。

・セラミド(水分と油分を蓄える)
・天然保湿因子(水分保持)


しかし、ゆらぎ肌の状態は、吹き出物(ニキビ)が出来たり、肌が赤くなったり、かゆくなってしまうなどの肌トラブルは、肌のバリア機能が弱まってしまっている証拠です。肌のバリア機能を回復させるスキンケアをしていきましょう。

やさしく洗顔、しっかり保湿

ゆらぎ肌はとってもデリケート。ちょっとした刺激に過敏に反応します。特に吹き出物が出来た場合、お肌は応急処置として、とりあえず周辺にある細胞で肌を作ります。仮に作られた肌は未熟な細胞で構成されるので、バリア機能が発達していません。そのため、ちょっとした刺激に反応し、吹き出物が再発するリスクが非常に高い状態です。洗浄力の強い洗顔料でゴシゴシ洗わないように気を付けましょう。とはいえ、花粉やほこりで春のお肌はとても汚れているのも事実。防腐剤や発泡剤・香料などの防腐剤が入った洗顔料は避けて、お肌に優しい洗顔料で優しく丁寧に洗うことを心がけましょう。洗顔をする際は32℃程度(冷たいかな?と感じる程度の温度)のぬるま湯で行うことがおすすめです。洗顔後はしっかり保湿することを忘れずに!

花粉などのアレルギー物質が肌につかないようにする

花粉症が原因で起こる皮膚炎は「花粉皮膚炎」と呼ばれています。症状は顔や首に出やすく主な症状には次のようなものがあります。

・目の周りや頬などがピリピリ・カサカサする。
・かぶれのような症状がでる。(特に目の周りなど皮膚の薄いところ)
・蕁麻疹のようにかゆみが強く、少し盛り上がった湿疹がでる。
・アトピー性皮膚炎がある場合は悪化する。


発症や悪化を予防するには、花粉が肌につかないようにすること、家に持ち込まないこと。帰宅したら、家に入る前に服の花粉を払い、洗面所で顔や手を洗いましょう。シャワーを浴びて髪も洗うことができればベストです。なるべく早く花粉やほこりを洗い流しましょう。

質の良い睡眠をとる

花粉症の症状が重い人はこの時期、眠れない人も多いのではないでしょうか?十分な睡眠がとれないと疲れがなかなか取れず、全身の免疫力が下がってしまいます。当然お肌のバリア機能も低下します。空気清浄機などを利用してベッドルームは花粉の少ない環境を保ちましょう。睡眠前にゆっくりと入浴してリラックスしたり、寝室にリラックス効果のある精油をたくのも効果的です。特にラベンダーやマンダリン、カモミールなどは精神を安定させる効果があると言われています。また、就寝前にスマートフォンを見ると、画面から出るブルーライトの影響で睡眠を安定させるメラトニンが分泌されにくくなりますので就寝前は控えた方がいいでしょう。

食生活に気を付ける

食事の乱れがあると肌に必要な栄養が摂取できません。美肌のためのポイントとなる栄養素は主に次の3つです。
・ビタミンA:抗酸化作用があり、肌や粘膜を正常保ってくれます。【多く含む食品:レバー・緑黄色野菜・乳製品など】
・ビタミンC:抗酸化作用があり、コラーゲンの生成をサポートします。【多く含む食品:アセロラ・赤ピーマン・ブロッコリーなど】
・タンパク質:肌を作る基本的な栄養素です。【多く含む食品:肉・魚・卵・納豆など】
しかし、どんな栄養素でも偏って摂取してはその効果を発揮することが出来ません。大切なことは様々な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

肌のバリア機能を元気にするには?

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肌のバリア機能を担う3つのファクター

先ほどもお話しした通り、肌のバリア機能のカギとなるのが「セラミド」と「天然保湿因子(NMF)」です。さらに、肌を覆う潤いのベールである「皮脂膜」が加わったこの3つの要素が肌のバリア機能には重要です。

セラミド

セラミドは肌の角質層にあり、細胞と細胞の間にある細胞間脂質の主成分。スポンジのように水分や油分を抱え込んでいます。このセラミドが水分をたっぷりとため込むと同時に皮脂膜を生成することで、肌はみずみずしく保たれます。

天然保湿因子(NMF)

角質細胞内に存在し、その約半分はアミノ酸(タンパク質をつくる物質)で出来ています。天然保湿因子は角質層の中で水分を含み、保持する働きがあります。アミノ酸は肌の潤いのもとになる大切な成分です。

皮脂膜

皮脂は毛穴から出て角層の表面に広がり、汗と混ざって皮脂膜を作ります。皮脂膜は水分の蒸散を防いで、肌のうるおいを守る役割をします。
皮脂の量は、気温が高くなると増加し、年齢でみると思春期以降から20代にかけて急激に増加した後徐々に減少していきます。過剰な皮脂はニキビの原因になってしまうこともありますが、適度な皮脂は肌を守る皮脂膜を作るために必要不可欠なものです。
なお、肌は弱酸性に保たれていると肌荒れが起きにくくなります。皮脂膜は弱酸性で、肌の酸性度を調整しています。

この中で特に重要なのはセラミド

繰り返しになりますが、セラミドが不足するとで皮脂膜が生成しにくくなります。天然保湿因子も不安定になるため、肌は乾燥して刺激に弱い状態なります。このセラミドは20代をピークに年齢を重ねるとともに減少し、50代ではピークの約半分になってしまうため、セラミドを育てるケアはとても重要です。

セラミドを増やすには

セラミドを外から補う場合、セラミド配合のクリーム等をつけることでお肌のうるおいに効果を発揮します。ただし、お肌につけるのをやめて2日目から元に戻り始めるという実験データが出ています。つまり、肌の表面にセラミドをつけても一時的な効果しかありません。お肌が自らうるおいを保つようにするためには、お肌の内側からセラミドを作り、育てていくことが大切。そこで肌に直接セラミドを塗るのではなく、角質内のセラミドを増やし、その働きをサポートするスキンケアを紹介します。

セラミドを育てるスキンケア

角質内のセラミドを育て、活発に働くようにするには、お肌に「必須脂肪酸(特にオメガ3)」と呼ばれるオイル分を与えることが有効です。そのために必要となるのが、必須脂肪酸の一種であるリノレン酸。リノレン酸はローズヒップ油や亜麻仁油、クランベリー種子油に多く含まれていることで知られています。リノレン酸を含んだスキンケア商品を選んで、セラミドを育てていきましょう。

まとめ

春先の肌不調は、冬の間にお肌が乾燥し、肌バリアが弱っているところに花粉やストレスと言った要因が加わったために症状が現れます。すべての肌トラブルのほぼすべての原因は肌の乾燥であると言って過言ではありません!空気の乾燥が強まる冬の間のスキンケア次第で、季節の変化による肌へ影響が変わります。どんな時も肌のバリア機能を低下させないために、普段からセラミドを育てるスキンケアをしっかりケアしておきたいですね。

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