2019/02/26

セラミドを効果的に育てる方法

年齢とともに肌のカサつきが気になっていませんか?バリア機能に関わるセラミドは、年齢とともに不足することがわかっています。自身の肌力を高めるためにも、セラミドを効果的に取り入れるポイントをお伝えします。

年齢とともに低下する肌のバリア機能。バリア機能が低下した肌は、シミやしわ、たるみといった老化だけでなく、乾燥を招いたり、肌荒れを起こしたりする原因となります。そういったトラブルに対するエイジングケアの要となるのが、「セラミド」です。美肌づくりの第一歩として、セラミドについて理解を深めつつ、効果的に育てるためのポイントをチェックしてみましょう。

セラミドって、どんな物質?

セラミドとは、角質細胞の間を埋める細胞間脂質のひとつです。セラミドは、脂質(オイル分)でありながら、水分をつなぎとめる働きを持つという特徴があります。肌の水分と油分のバランスを調整する働きを持つことから、近年注目されています。とはいえ、肌作りにどのような影響を与えているのかを具体的にイメージしづらい方も多いかもしれません。まずは、セラミドが関わる肌の構造について確認してみましょう。
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バリア機能をつくる皮膚の構造

皮膚は、人体最大の臓器であり、外部からのさまざまな刺激から守り、同時に、体温調節や水分調節に関わっています。皮膚は大きく分けて3つの構造でできており、一番上が表皮、続いて真皮、さらに下にあるのが皮下組織です。セラミドがあるのは、一番上の表皮部分です。さらに表皮には4つの層があり、上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分けることができます。目に見えている肌の部分は一番上にある角質層で、美肌を作るうえで重要なのがこの角質層です。セラミドはこの角質層にあり、肌の美しさの決め手になります。

美肌の決め手「ラメラ構造」とは

美肌を作るうえでは、角質層の状態を整えることがポイントになります。そこで知っておきたいのが「ラメラ構造」についてです。角質層には、ターンオーバーによって押し上げられる角質細胞があり、ミルフィーユ上に重なった水分と脂質で支えています。この部分をラメラ構造といい、きれいな状態を保つことができれば、角質細胞同士が隙間なく埋まり、肌の水分の蒸発も防ぎます。

セラミドの重要性

美しいラメラ構造を形成するためには「セラミド」が重要です。ラメラ構造を構成している細胞間脂質のなかでも、セラミドは最も重要な物質です。別名「スフィンゴ脂質」とも呼ばれ、細胞間脂質の大半を占めています。セラミドは脂質ではありますが、水と非常に相性の良い「親水基」であるのも特徴的。しかし、残念ながら、加齢とともにセラミドの量が減ってしまうというデータもあり、ケアをしないまま放置してしまうと、減少の一途とたどってしまいます。セラミドが少なくなれば、本来持っていたバリア機能が低下してしまうため、肌の乾燥を招いてカサついたり、肌荒れを引き起こしたりする可能性が高まります。

アトピー性皮膚炎との関連もある

肌トラブルのなかでも、回復に時間がかかりやすい症状としてアトピー性皮膚炎があります。アトピー性皮膚炎の原因は、表皮のバリア機能のトラブルといわれており、外からの刺激を受けやすい状態になっています。個人差がありますが、ある研究結果ではセラミド不足がアトピー性皮膚炎に大きな影響を与えていることを示唆しています。

セラミド不足で起こりうる肌トラブル

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上述したように、セラミドは加齢とともに量が低下してしまいます。セラミドが減ることで、水分量を調節する機能も低下してしまうため、以下のような肌トラブルを招く可能性があります。

毛穴トラブル

肌の水分が足りないと毛穴トラブルを引き起こす原因になります。たとえば、水分不足になった肌は、乾燥を防ぐために皮脂の過剰分泌が続き、その結果皮脂を出す毛穴が広がります。すると毛穴が開き、水分の蒸発を防ぐために膜を作ります。この状態のまま放置していると毛穴が目立ってしまいます。また、毛穴の黒ずみにも水分不足が影響しています。肌の表面にある古くなった細胞は、通常アカとともに剥がれ落ちます。しかし、水分不足の状態が続くと、不要な細胞が残ってしまいます。ターンオーバーが乱れているため、古い細胞が毛穴を塞いでしまい、皮脂や脂汚れと混ざり、酸化して黒くなります。これが黒ずみの原因です。このまま放置していると角栓となり、毛穴が詰まった状態が続きます。
このように、肌乾燥による毛穴トラブルが起こってしまうというわけです。

しわ

肌の内側の水分不足による、弾力の低下も気になるところです。肌の弾力維持に必要なコラーゲンやエラスチンは、加齢や紫外線などの影響で、どんどん劣化してしまいます。水分不足によって、肌の弾力が損なわれると、ハリがなくなってたるんだ印象を与えてしまいます。

シミ

シミの原因は紫外線で、バリア機能が保たれていないとダメージを受けやすくなります。バリア機能に関わるセラミドが不足すると、よりダメージを受けやすい状態になってしまうでしょう。また、万が一シミが出来てしまったとしても、ターンオーバーが整っていれば、自然とシミは落ちていくはずです。ターンオーバーを整えるためにも、セラミドを育て、水分を蓄える必要があります。

セラミドの生成を助けるスキンケア

では実際に、セラミドを育てるためにはどうすればよいでしょうか?
たとえば、セラミドを直接配合した化粧品を使うのは、手軽で便利な方法です。ただし、配合化粧品は、使い続ける必要があることを覚えておきましょう。ある実験データによると、こうした配合化粧品に頼ったスキンケアは、使用を中止した2日目には元に戻ってしまうという結果が報告されています。個人差はあるものの、実際にはスキンケア後の数時間で、その働きが大幅に落ちてしまうらしいです。こうした背景を考えてみても、配合化粧品に頼るのではなく、できるだけ自力でセラミドの生成力を高められるケアを取り入れる方が、コストパフォーマンスもよく、継続性もあるでしょう。セラミドを育てるケアのひとつとして、セラミドの構成成分となるリノレン酸が含まれたスキンケアを取り入れるのがおすすめです。リノレン酸にはαリノレン酸と、γリノレン酸の2種類がありますが、角質層からの水分蒸発を防ぎ、肌を柔らかく保つ働きが強いのはαリノレン酸とされています。一方、γリノレン酸はアトピー性皮膚炎に良い影響を与えるとされています。

肌に負担をかける成分を避ける

セラミドを育て、バリア機能を良好に保つケアを取り入れたとしても、同時に肌への刺激になるような成分を取り入れてしまうようでは、残念な結果に。できるだけ刺激の少ない天然素材や、自然由来のアイテムを選ぶとともに、自然由来であっても刺激の強いものが含まれない製品を選ぶようにしましょう。

肌は水が好き?それとも油が好き?

その答えは……「油」。実は、肌は油が大好きなんです。
なぜなら、肌を構成するタンパク質は水を弾き、油分を浸透させる性質を持っているからです。肌細胞や細胞膜は必須脂肪酸などのオイル分や、マグネシウムなどのミネラル分を主成分にしています。そのためオイルは肌細胞にとって吸収しやすい優れた栄養分になるのです。

セラミドを育てるためにスキンケアにオイルを取り入れる際のポイント

特にリノレン酸を含むオイルは、肌に馴染みやすく、次に使用する化粧水の浸透を助けてくれる働きがあります。ただし、オイルによっては酸化しやすいものもあるので注意が必要です。例えば、リノレン酸を含んでいる亜麻仁油はとても酸化しやすく、紫外線の当たる日中の使用で酸化を進めてしまいます。酸化しにくいオイルとしては、抗酸化物質を同時に含むクランベリーシードオイルがおすすめです。さらにクランベリーシードオイルにはαリノレン酸と、γリノレン酸両方含まれていますので、両方肌に与えることができます。

まとめ

年齢とともに気になる肌の不調は、セラミドの不足が影響している可能性があります。普段のケアにセラミドの生成を促すようなアイテムを取り入れて、ハリのある肌をキープしましょう。

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