2019/11/27

ケミカルコスメとナチュラルコスメ、一体どう違うの?

あなたはケミカルコスメとナチュラルコスメの違いをご存知ですか?化学的に合成された物質を使って作られているのが、ケミカルコスメ。一方、自然界に存在する物質を使ってできているのがナチュラルコスメです。でも、その境界線はメーカーによってそれぞれ。私たち消費者にとっては曖昧でわかりにくいです。例えば、天然成分と石油由来成分の合成成分も、一部が天然なので天然成分と定義するメーカーが多いのが現実。今日はケミカルコスメとナチュラルコスメの境界線と、それぞれの化粧品が肌にどのような効果を与えているのかお話します。あなたにあった化粧品選びの参考にしてください。

先日、お客様からこんなご相談をいただきました。

「長年、同じ化粧品を使っていたのですが最近肌に合わなくなってきたのか、肌荒れが治りません。ネットで検索すると肌荒れしたらナチュラルコスメが良いという記事を見つけました。一般的な化粧品とどんな違いがあるのですか?」

ケミカルコスメとナチュラルコスメの違いは?

私たちの肌はとてもデリケートです。健康な肌では、水分と油分のバランスが整い、見た目にもツヤ感があります。でも、生活習慣の乱れや加齢などにより、ホルモンバランスや新陳代謝のリズムが崩れてしまうと、肌は水分不足に陥り、脂浮きが目立ったり、逆にカサカサしたりといった状態になります。そうした肌の症状を例にとるとケミカルコスメは一時的に乾燥を緩和したり、肌が潤ったように感じるアイテムです。化粧品自体が肌の上でハリを作ったり、潤ったように見せるため化粧品がキレイな見た目を作っています。
一方、肌の新陳代謝を促し、根本的に肌の状態をよくすることを目的にしているのがナチュラルコスメです。肌に栄養や水分を与え、肌自身を育てていきます。時間はかかりますが、お肌がキレイになることを目的としています。
あなたが選ぼうとしている化粧品がケミカルコスメなのか?それともナチュラルコスメなのか?は、メーカーに任せず、あなた自身の目で、化粧品のパッケージに書かれている成分表を読み解いて判断してください。なお、成分表には、配合量の多い順に全成分を記載することが医薬品医療機器等法によって定められています(※)。ではスキンケアアイテムには具体的にどんな成分が含まれているのか見ていきましょう。

クレンジングの違い

■ケミカルコスメ
メイクの「落としやすさ」を追求しています。
よく見かける「メイクが簡単に浮く」や「水で簡単に流せる」というクレンジングは、肌に馴染みやすい強い合成界面活性剤が使われています。汚れを落とすだけではなく、角質も一緒に取り除いてしまい、肌の弱い方には肌トラブルの原因になります。

■ナチュラルコスメ
メイク汚れや皮脂汚れは油汚れです。「油は油で落とす」が原則です。
合成界面活性剤ではなく、植物のオイルでメイクや皮脂汚れを落としますので、お肌にダメージを与えません。

化粧水の違い

■ケミカルコスメ
PGなど浸透を目的とした合成界面活性剤(浸透剤)を配合しています。浸透剤はお肌に水分が入る通り道を作り、肌から水分が抜けやすくなります。浸透剤が含まれている化粧水はしっとりしますし、保湿もできるのですが、バリア機能にダメージを与え、お肌の乾燥や刺激に弱くなってしまいます。また、PG自体が刺激の強い成分です。

■ナチュラルコスメ
シンプルな花の芳香蒸留水植物エキスが配合されたものです。

ジェル・クリームの違い

■ケミカルコスメ
保湿アイテムには「メチコン」「ジメチコン」「ビニルポリマー」などの合成ポリマーが多く使用されています。合成ポリマーは、肌をビニールのような膜で覆うので肌から水分の蒸発を防いだり、肌表面を滑らかに見せることができます。(ノリや接着剤と似ている成分です)一見、肌はキレイに見えますが、合成ポリマーのフタをやめると水分は蒸発しやすく、乾燥します。

■ナチュラルコスメ
美容オイルは角質を健康な状態にするために肌に浸透して肌の栄養になります。クリームは皮脂膜と同じく油分と水分が混ざったものです。皮脂膜に代わってお肌の表面に長時間留まり、乾燥を防ぎます。必須脂肪酸(自分では作れないのに必要なオイル)が配合されているオイルを選ぶとより効果的です。
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ケミカルコスメは効果がわかりやすく、ナチュラルコスメには効果はあまりないけれど肌にダメージが少ないなんて思っていませんか?化粧品は長い期間使うもの。即効性だけで判断せず、使い続けた時にどのような効果があるのか?で判断してください。

ケミカルコスメを使い続けると?

ケミカルコスメには即効性が期待できます。それは、肌の問題に対処療法的に開発された物質が配合されているからです。でも、ターンオーバー(30日〜60日程度)を繰り返して初めて肌は綺麗になるもの。使ってすぐに効果が現れるのは、肌が綺麗になっているのではく、化粧品がキレイに見える “肌の加工”をしています。例えば、合成ポリマーはノリや接着剤の主成分で、塗った後しばらくすると乾燥して、肌が引っ張られます。するとシワが引っ張られて薄くなったように見えるのです。
もちろん、科学的な製法で作られているので、そうした物質に敏感な肌の場合、過剰に反応し肌荒れを引き起こしてしまうこともあります。また、長期的に使うことで肌の角質にダメージが蓄積され、保水力が落ちてしまったり、ナチュラルコスメに変えたときに乾燥してしまうこともあります。
例え、肌の悩みが表面的にケミカルコスメで解消されたとしても、根本的な解決にはなっていないのですぐに、別の問題が出てきます。例えば、ニキビ用のスキンケアライン使い続けないとニキビができてしまうのに、使っていくうちに肌が乾燥してしまうという問題が起こるかもしれません。また、しばらくすると使い始めほどの効果は感じられないという方も多いようです。ニキビ用のアイテムに限らず、一定期間使用して、肌に異常が感じられた場合はもちろん、効果が薄れたように感じた時もいったん使用を中止するのが、ケミカルコスメとの賢い付き合い方です。
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ナチュラルコスメを使い続けると?

ナチュラルコスメは、ケミカルコスメとは違い、即効性は期待できませんが、自然界が持つ力の助けを借り、“肌が自らキレイになるサポート”をしてくれます。もしあなたが何らかの肌トラブルを抱えているのであれば、ナチュラルコスメを使用して、根本的な肌改善を目指していただくことをおすすめします。

私自身も、以前は即効性を重視していたため、長年ケミカルコスメを使用していました。しかし肌トラブルが増える一方でした。そんな時、ナチュラルコスメと出会い、スキンケアを変更したところ時間はかかりましたが徐々に肌トラブルは改善され、その後もトラブルを起こすことはなくなりました。ナチュラルコスメを使用した結果、根本的な肌改善に繋がりました。

化粧品の購入の際には成分を確認しましょう!

ケミカルコスメかナチュラルコスメかは繰り返しになりますが、化粧品のパッケージに書かれている成分表を見ることでわかります。ケミカルコスメなのにナチュラルコスメや無添加化粧品とメーカーが謳っていることがあるで注意が必要です。成分にこだわるのであれば、ぜひ成分表示も見逃さずお選びください。

ただし、ケミカルコスメからナチュラルコスメに全てのアイテムを一度に変更すると、物理的、科学的に保たれていた保水力が低下し、乾燥肌や脂性肌を引き起こすことも考えられます。アイテムを変更する時は、一点ずつ変更してください。
“ケミカルコスメ”を脱してナチュラルコスメに変更すると、お肌の変化に戸惑う方がいらっしゃいます。あらかじめ脱ケミが起こる理由やその対策を知っていれば、不安に陥らずにナチュラルスキンケアに移行できます。正しい知識を持って気持ちよく脱ケミしましょう♪

まとめ

替えの利かない大切な肌。あなたの肌が本当に求めているのは、ケミカルコスメですか?ナチュラルですか?

※医薬品医療機器等法:全成分の表示方法は配合量の多い順に記載すること、1%以下の成分は順不同でも可。原材料の品質保持のためにあらかじめ含まれている保存料などのキャリーオーバー成分は表示の必要はない。平成13年3月6日付医薬審発第163号/医薬監麻発第220号により。

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