2022/09/27
泡立ちが良すぎる洗顔料って肌に優しいの?
私たちの日常にすっかり定着している泡洗顔。たっぷりのモコモコ泡で洗うからこそ、汚れが落ちるとか、肌に優しいといったイメージを持っている方は多いのでは?実は、泡立ちの良い洗顔料には、ある成分が入っており、私たちの肌に影響を与えています。今回は、泡立ちが良すぎる洗顔の秘密について探っていきましょう。
濃厚泡は肌に負担をかけない?
しかし、泡立ちが良すぎる洗顔料は注意すべきです。というのも、泡立ちの良すぎる洗顔料には、人工的にモコモコした泡が簡単に作られるような【発泡剤】という成分が含まれているからです。
発泡剤とはいったいどんなもの
発泡剤の種類にもいろいろありますが、エタノールアミン類が有名です。
エタノールアミン類を含む成分例として、
コカミドMEA
セチルリン酸DEA
オレス-10リン酸DEA
ラウラミドDEA
ラウリル硫酸TEA
泡立ちの良い洗顔料をつかうリスク
では、具体的にどんなリスクがあるのでしょうか。
まず、泡立ちがやすくて消えにくい泡を作りだすエタノールアミン類(DEA、MEA、TEA)が含まれた洗顔料は、洗浄力が高いです。そのため、肌に刺激をもたらしやすく、バリア機能を弱めてしまいます。その結果、肌荒れや乾燥肌を招きやすくなるでしょう。敏感肌の方は特に注意が必要です。
また、アメリカやEUにおいて、これらエタノールアミン類はホルモン分泌をかく乱するとして規制の強化が検討されているとも言われています。エタノールアミン類が配合された製品を使うことで必ずがんになるという事ではありませんが、海外では安全のために規制の強化が考えられている成分であることを覚えておきましょう。
さらに、エタノールアミン類が使われている製品が、店頭や自宅で保管されている際に、ニトロソアニンという毒性のある物質が発生して汚染されてしまう恐れがあります。取り扱いには十分に注意せねばならないということも知っておくべきです。
泡立ちと汚れ落ちの関係
はっきりと断言いたしますが、泡立ちと洗顔料の良さは関係ありません。ホコリや酸化した皮脂、古い角質などの汚れを落とすのは、泡立ちの良さではなく、界面活性剤です。
洗顔フォームや石けんなどの洗顔料には必ず界面活性剤が入っています。洗浄力の強さというのは、泡立ちとは関係なく、含まれている界面活性剤の種類によって違ってくると考えてください。
ちなみに界面活性剤には、「合成」と「天然(石けん)」の2種類があります。石油由来の合成界面活性剤は、強い乳化力と洗浄力が得られますが、皮膚のバリア機能を壊して乾燥肌を招いたり、化粧中の化学添加物や香料を皮膚内に浸透させてしまう恐れがあるのであまりお勧めできません。
肌のためにはどんな洗顔料がいいのか?
また、合成界面活性剤を配合したケミカルな洗顔料ではなく、原料がたしかで天然の潤いをもつ石けんを強くお勧めします。
シンプルな石けんは発泡剤が含まれていないので、泡立ちが悪いと感じるかもしれません。
しかし、石けんは大きな泡を作らなくても摩擦は十分防げます。
石けんを水につけると、石鹸分子が膜を作って水をはさみ込み、石けん→水→石けん→水となりミルフィーユ状になります。
そのため、横滑りしやすくなり、泡立てないと摩擦で肌が傷つくことはありません。
石けんを選ぶ時にお勧めなのが、コールドプレス製法で作られた石けんです。
コールドプレス製法とは、製造時に熱を加えずに昔ながらの自然乾燥で熟成させて作られる製法のこと。加熱しないことによって、原料が持つ栄養分やうるおいを劣化させることなく、丸ごと石けんに閉じ込めることが可能です。コールドプレス製法であれば、質の高い石けんができます。
天然の優れた原料が配合されていれば、その原料の栄養分や潤いをそのまま肌に届けることができます。ケミカルな成分では全くないので、肌に優しいというのがコールドプレス製法の利点と言えるでしょう。しっかり汚れは落ちても潤いは守られるという肌状態に仕上げてくれます。