2022/06/13
乾燥肌なのに毛穴が目立つのは、なぜ?
毛穴の開きや黒ずみなどの毛穴トラブルは、皮脂分泌が盛んな人に起こりやすいイメージがあります。しかし、乾燥肌であるにも関わらず、毛穴が目立ってしまい悩んでいる人もいます。どうして乾燥肌なのに毛穴が目立ってしまうのか、その原因とスキンケア対策について解説いたします。
乾燥肌と正常な肌との違い
正常な肌は、角質層のバリア機能が働いているため、水分や皮脂の蒸発を防いでくれます。一方、乾燥肌はバリア機能が正常に働いていないため、角質細胞にある天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質(セラミドなど)が極端に少なくなっています。そのため、水分を抱えている力が少なく、水分が蒸発しやすいです。
乾燥肌になってしまうと、外部からの刺激(紫外線、エアコンなど)の影響を受けやすく、さらなる乾燥肌をつくってしまうという悪循環に陥りやすいです。
乾燥肌なのにどうして毛穴が目立つの?
でも実際には、毛穴が目立つケースがあります。
うるおいに満ちたふっくらとした肌であれば、毛穴もキュッと引き締まっているので毛穴も目立ちません。しかし、乾燥肌は、角質細胞にある天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質(セラミドなど)が減っています。そのため、皮膚がしぼみ毛穴周りが凹んでしまいます。その凹み部分に影ができることで毛穴が悪目立ちします。
夏に起こりやすいインナードライ肌も要注意
乾燥肌になるきっかけとは?
間違ったケアのひとつにクレンジングと洗顔があります。クレンジングや洗顔料には、メイクや皮脂汚れを落とすために、合成界面活性剤が入っています。これによって、ぬるま湯だけでは落としきれない汚れを落とすことが可能です。しかし、良いことばかりではありません。
たとえば、合成界面活性剤の洗浄力は強力なため、短時間でメイク汚れを落とせますが、必要な皮脂や角質まで溶かしてしまい、皮膚のバリア機能を破壊します。バリア機能が破壊された肌は、水分蒸発が進みます。そして、皮脂分泌はますます盛んとなるでしょう。
毛穴が目立つからといって、化粧水しかつけない、クリームを少量だけなど保湿ケアを十分にしていないと、肌は乾燥することに。角質内の水分を保持しているのは、皮脂ではなくて、天然保湿成分(NMF)やセラミドなどの細胞間脂質がメインです。ですので、これらが不足すると、いくら皮脂の量が多くても乾燥肌は治りません。
では、乾燥しやすい肌の毛穴対策は、どのようにすればよいのでしょうか?乾燥肌による毛穴開きを改善するには、クレンジング、洗顔、保湿ケア、3つの正しいケアが重要です。
クレンジングと洗顔
メイクを落とすには、添加物が配合されていないシンプル処方のクレンジング剤が一番です。肌に刺激や負担をかけずにメイクの汚れだけを落とすことができるでしょう。
肌にやさしい成分だと濃いメイクが落ちにくい場合があります。その場合は、クレンジングする前にホホバオイルでメイク汚れが浮き上がるまで優しくマッサージ。ホホバオイルは、人間の皮膚に含まれている「ワックスエステル」が主成分ですから、肌へのなじみがいいですし、肌も乾燥しにくいです。
また、洗顔料にも気を配るべき。乾燥肌の方は保湿成分が入った「しっとりタイプ」の洗顔料を選びがちですが、しっとりタイプの洗顔料には、肌に膜を張る合成ポリマーが含まれています。洗ったあとに肌に残り、毛穴詰まりを起こしたり、そのあとの保湿(スキンケア成分)の浸透を妨げてしまうので気をつけて。
洗顔はあくまでも毛穴汚れを落とすことが目的ですから、洗顔料に膜は必要ありません。くれぐれも「保湿成分配合」だとか、「しっとりうるおう」といったフレーズに惑わされずに、汚れを落とすことに特化した純粋な石鹸を選ぶようにしてください。
天然成分100%の純粋な石鹸であれば、余計な添加物が入っていないので、肌に負担をかけません。乾燥肌の人であっても安心して使用できるでしょう。
保湿ケア
水分を抱え込んで離さない力を持つセラミドが角質内に満ちていれば、しっとりとうるおいある肌を保てます。逆にセラミドが足りない肌というのは水分保持能力が低いため、化粧水を塗ってもすぐに肌は乾きます。細胞間がスカスカになっているため、どんなに高保湿の化粧水を塗っても、その効果を長時間キープすることができにくいです。
必須脂肪酸が多く含まれたオイルには、角質にあるセラミドを育てる働きがあります。セラミド配合の美容液を取り入れるよりも、セラミドを育てる成分が入ったオイルを肌に塗る方が、乾燥肌を根本から改善することができます。
そして、角質内の水分を逃がさないためには、クリームが必要です。クリームの役割は、肌内部の水分を逃がさないベールを作ること。皮脂膜と同じ役割を果たし皮膚のバリア機能を高めます。
クリームを選ぶ際は、合成ポリマーなど添加物が配合されていないか絶対にチェックしてください。ケミカルな成分が配合されたクリームは、皮膜力が強すぎて毛穴詰まりを起こしたり、クレンジングで落としにくく、肌トラブルを起こしやすいです。
植物由来の界面活性剤でつくられたクリームであれば、肌への負担を最小限に抑えつつ、角質層の水分と油分のバランスを整わせて、うるおいに満ちた肌づくりのサポートができるのでおすすめです。