2022/05/31

汗に強い崩れないファンデーションの落とし穴

気温が高くなり、汗をかきやすい季節となりました。これから夏本番にかけて、ベースメイクも崩れがち。そんなときに役立つのが、ウォータープルーフや皮脂崩れ防止のファンデーションです。肌にピタッと密着し、夕方までしっかりと朝のメイクをキープしてくれます。一見、崩れないファンデーションは万能に見えますが、私たちにとって悪いことはないのか検証したいと思います。

崩れないファンデーションは女性の強い味方?

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ウォータープルーフや皮脂崩れ防止など、崩れないファンデーションの特徴をあげてみます。
・肌への密着度が高い
・カバー力が優れている
・肌につけるとうるおいやツヤを感じられる
崩れないファンデーションは、肌への密着度が高いです。そのため、汗をかいてもメイクがよれたり、崩れたりしにくいです。

しかも、カバー力に優れており、さっとひと塗りでシミや毛穴、ニキビ跡などを隠すことができます。また、皮膜力があるため、肌につけるとハリとうるおいが感じられます。

長時間経ってもメイクが崩れにくくて、肌をきれいに見せてくれるという意味で、崩れないファンデーションは、肌を美しく保ちたい女性たちにとってありがたいアイテムであるということに異論はありません。

しかし、なぜ崩れないファンデーションを作れるのかという点について、少し検証したいと思います。
ヒントは「合成ポリマー」と呼ばれる存在です。

崩れないファンデーションに含まれる合成ポリマー

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合成ポリマーとは、化学的に合成された高分子化合物のことです。

おもに石油などを原料としたペットボトルなどの合成樹脂、ポリエステルやナイロンのような合成繊維、合成ゴム、シリコーンオイルやシリコーン樹脂などをまとめて合成ポリマーと呼んでいます。

合成ポリマー配合のファンデーションを肌の上に塗ると、一枚の膜に覆われた感覚になります。これは、合成ポリマーが肌に皮膜をつくって、コーティングするからです。薄いサランラップやビニールを肌に覆っているようなイメージです。

合成ポリマーの役割とは

合成ポリマーが含まれた化粧品を使用することで、ツルツルと手触りが良くなります。水分を抱え込む性質があるため、肌がうるおっているように錯覚します。(ですが、水分が表面で抱えられるため、肌内部がうるおっているわけではありません

特に、ケイ素系の合成ポリマーの一種であるシリコーンは、表面をコーティングして皮膜を形成します。撥水性があるからこそ、汗にも水にも強いのです。

そのため、ファンデーションに合成ポリマーを配合すると、汗や皮脂を通さないウォータープルーフ効果が得られます。だから夕方までしっかりと化粧崩れすることなく、きれいな肌をキープできるのです。

合成ポリマーの落とし穴

合成ポリマー配合の化粧品を使い続けると、肌にはどんな影響があるのでしょうか。
1. 皮脂分泌がうまく機能しなくなる
合成ポリマーが含まれた化粧品を塗ることで、肌に薄い皮膜を作り、見た目的にも肌はうるおいと艶やかになったように感じます。

しかし、合成ポリマーによって覆われた肌は、毛穴を塞いで正常な皮脂分泌ができにくくなります。だんだんと皮脂分泌が減ってしまい、皮膚のバリア機能がうまく機能しなくなります。それにより、乾燥肌やインナードライ肌に傾いてしまいます。

皮膜効果によってハリやうるおいが保たれた感覚になりますが、肌内部では、皮膚機能が低下しており、肌の劣化がどんどんと進んでしまうという恐ろしい結果を招いているのです。

2. 強力なクレンジング剤が必要
合成ポリマー(シリコーン)を含んだ化粧品というのは、皮膜性が強いので肌にピタッと貼り付いて落ちにくいです。どうしても慢性的に肌に残留しやすいですので、強力なクレンジング剤でしっかりと洗い落とさなくてはなりません。

強力なクレンジング剤は、合成界面活性をたっぷり配合しており、肌に必要な皮脂やセラミドなどの保湿成分まで一気に奪い落としてしまいます。

必要な皮脂や保湿成分が失われた肌は、バリア機能が低下していき、乾燥肌、インナードライ肌へ傾きがちです。もともと皮膚が弱い人は、敏感肌になってしまう可能性もあります。

汗に強い崩れないファンデーション自体には毒性はありません。しかし、強い皮膜力を持つ合成ポリマーが含まれているので、強いクレンジングが必要です。それが肌を傷めつけてしまうということを認識しておいた方がいいでしょう。

合成ポリマーの見分け方

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化粧品の成分表示をみても「合成ポリマー」とは記載されていません。ですので、合成ポリマーかどうかを見分けるために、代表的な名称をあげておきます。
<合成ポリマー>
カルボマー
シロキサン
アクリル酸〇〇
ジメチコン
トリメチコン
ポリアクリルアミド
  などです。
もちろん、上記は一例であり、そのほかにもあります。

「~メチコン」とつくものは、ケイ素系の合成ポリマーに多く、撥水性の強い皮脂膜剤です。汗に強く崩れないファンデーションに多く使われています。

合成ポリマーは、ほんの少量でも十分に効果を発揮します。そのため、化粧品に配合される量も少ないため、化粧品の成分表示では、目立たないように後ろの方に記載されています。成分表示をチェックする際は、しっかりと確認しておきましょう。

肌のことを考えるなら配合成分を重視すべき

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以上のことから、合成ポリマーが配合された崩れないファンデーションは、本当に肌のことを考えるなら、使用するのは控えた方がいいということを理解して頂けたかと思います。

しかし、汗ばむこれからの季節は、やっぱり化粧崩れが気になるでしょう。できれば長時間美しい肌をキープし続けたいもの。「肌に負担をかけたくないけど、化粧崩れもしたくない」という人におすすめなのが、植物由来のワックス(キャンデリラロウ、カルナウバロウなど)が配合されたファンデーションがおすすめです。

キャンデリラロウは、アメリカ南西部からメキシコ北部の砂漠地帯に生育するキャンデリラ植物の茎から抽出した植物ロウで、カルナウバロウは、ブラジル産のカルナウバヤシの葉から得られた植物ロウです。

どちらとも常温の状態でも固形であり、少し温めると溶けるという性質があることから、スティック状のファンデーションによく使用されています。
天然の植物ロウでできたファンデーションの特徴
・なめらかで均一に延びる
・色落ちしにくい
・自然で深みのあるツヤを得られる
・肌にやさしく安全性が高い
非常に安全性が高い成分です。肌にやさしい洗顔料ですんなりとメイクを落とせるというところも魅力です。

肌にやさしいファンデーションにはミネラルファンデーションもありますが、ミネラルファンデーションの場合、カバー力が少なくて、色落ちしやすいという難点があります。しかし、キャンデリラロウ、カルナウバロウなど植物由来のワックスが配合されたファンデーションは、肌にしっかりと密閉し、色落ちしにくいという特徴を持っています。

ただ、ケミカル処方のものと比べたら、若干色落ちやすいです。その場合、汗をかいたら塗り直すなど工夫しながら使うことをおすすめします。

まとめ

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崩れないファンデーションというのは、カバー力があって長時間にわたり、綺麗をキープできます。しかし、肌に負担をかける成分が含まれています。その場しのぎの綺麗さだけでなく、トラブルのない肌、安定した美しい肌をめざすのであれば、ファンデーションはぜひ成分に着目して選んだ方がいいでしょう。

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