ガサガサの手は見た目老化度アップ!?若々しい手を作る基本のケア方法
友人との食事や会話の最中、つい相手の手元に目が行くことはありませんか?手は目立つパーツなだけに見た目年齢を大きく左右します。手の老化の原因は乾燥。手の乾燥は痛みやかゆみを招くだけでなく、シミやシワの原因にもなります。手のうるおいを取り戻し、年齢に負けない美しい手を保つためのポイントを紹介します。
友人と食事をしたり会話の最中、相手の手元に目がいくことはありませんか?手や指先は意外とみられています。どんなに顔のスキンケアをしっかり頑張って美しいお肌に保っていても、手がガサガサでシミやシミがあると、ちょっと残念。年齢を感じさせてしまいます。私もシワシワの手がコンプレックスだったので、手のキレイな人にはとても憧れます。手荒れを招く原因のひとつとして考えられるのが「乾燥」。ひどくなるとひび割れや赤切れをおこして痛みを招いてしまうので、しっかりうるおいを与えるのが大切です。今回は、美しくて若々しい手を手に入れる方法を考えていきましょう。
手が乾燥してしまう理由
手の乾燥を招くのは、顔と同様に手肌のバリア機能が落ちてしまったり、角質層が固くなってしまったりするのが原因。本来、顔と比べて、手の角質層は厚く、荒れにくい構造になっています。それでも手が荒れてしまうのはどうしてでしょうか?
皮脂が少ない
皮脂の量は皮脂腺の数で決まりますが、手のひらには皮脂腺はなく、手の甲も皮脂腺は非常に少ないです。そのため、空気が乾燥しやすい秋冬は、手肌も乾燥しがちです。寒い季節に寒風にさらされると、手の乾燥は一気に進みます。個人的には寒風が一番手を荒れさせると思っていますので寒い時期はなるべく手袋をして手が外気にさらされないようしています。比較的湿度の高い春夏は、顔などの皮脂腺の多い箇所は皮脂が多くなり、乾燥は和らぎます。しかし、皮脂腺の少ない手は常に乾燥したままなので年間を通して乾燥対策をしたほうが良いでしょう。
紫外線
手にシワが出来る原因は様々ですが、一番の原因は紫外線です。特に手の甲は紫外線の浴びやすいところ。手の皮膚は顔に比べて真皮層が薄いので紫外線を浴びた肌は、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンがダメージを受けやすく、肌の老化が進んでしまいます。また、紫外線はシミの原因にもなります。ちゃんと日焼け止めを塗っていたとしても手を洗うことで日焼け止めが落ちやすく、うっかり日焼けしやすいところなので注意が必要です。
血行不良
手は心臓から遠く、血液がいきわたりにくい所です。血流が低下すると肌の再生に必要な栄養分が届きにくくなります。十分な栄養分が届かないと肌は乾燥を引き起こします。特に冷え性で常に手が冷たいと感じている人は要注意です。
水仕事
女性はどうしても水仕事が多いですよね。手荒れで悩む女性が多いのは、水を使うたびに肌を守ってくれている大切な皮脂を洗い流してしまうからです。皮脂が落ちてしまった肌は角質層の水分が蒸発しやすくなるため、乾燥が進みます。また洗剤の中には強い洗浄成分で肌の角質層にダメージを与えるものもあるので注意が必要。角質にダメージを受けた肌は「肌のバリア機能」が低下します。すると雑菌など外からの刺激を受けやすくなり湿疹やひび割れを引き起こします。日頃から家事をする方はもちろん、看護師さんや美容師さんなど日常的に水に触れる機会のある方は十分なケアが必要です。
消毒や手洗い
風邪予防や花粉予防など、手洗いをするのは大切なことです。でも洗いすぎるのは肌を守っている常在菌(善玉菌)も洗い流してしまい、肌のバリア機能を低下させます。数年前から手軽に手洗いできる消毒液が人気になっていますが、頻繁に消毒を行うと手肌を守っているNMF(アミノ酸などの水溶性天然保湿成分)が流出して、保湿力の低下を招くことに。消毒はし過ぎないようにしましょう。
化学物質
もともと肌が弱く、荒れやすい人は化学物質によって刺激を受け、手荒れが悪化することがあります。家事で食器洗剤や洗濯用洗剤・住居用洗剤を使用する場合はゴム手袋で手を保護するなど対策が必要です。しかし、洗剤だけでなくシャンプーやボディソープ、ハンドソープなども強い刺激になっている場合もあります。成分をしっかりチェックして過剰な洗浄成分が入っているものは避けたほうが良いでしょう。ちなみに市販のカラーリング剤(ヘアダイ)は身近にある最も危険な化学物質の一つです。自宅で毛染めをする人は、薬品が手につかないように十分に注意しましょう。
タッチパネルの触りすぎ
スマホやタブレットを使用している時、指先の乾燥を感じたことはありませんか?タッチパネルとの摩擦や、本体の発熱による影響なども手荒れの原因になります。とくに指先が荒れやすい人は注意して早めにケアをしましょう。指先の荒れを放置すると、手全体の手荒れに広がることも。
加齢
年齢が上がるにしたがって角質層を潤していたセラミドなどの細胞間脂質が減ってきます。セラミドは油分と水分を蓄えることが出来る物質です。セラミドが減ると角質層の水分保持力が低下しますから、肌は乾燥しやすくなります。
手の乾燥対策には、保湿と栄養を
顔と同様に、手の乾燥を防ぐには保湿が大切です。また、肌が元気になるための栄養分もしっかり与えてあげましょう。手も顔も同様に肌のバリア機能を高めて、強くてうるおいのある肌を作るのが基本。乾燥させない生活習慣を心がけるとともに、保湿と栄養のケアを取り入れていきましょう。
水仕事の前にホホバオイルなどで保護
ホホバオイルは皮脂と非常に似ている構造を持つ唯一の植物オイルです。水仕事の前につけておくと、肌の表面に膜を作って水をはじいてくれます。ただし、食器用洗剤など油分に強い洗剤には効果は期待できませんのでご注意を。
ハンドクリームでこまめに潤いを
手の保湿方法として、まず思いつくのがハンドクリーム。水仕事で手の皮脂が減った時や、乾燥を感じた時にこまめにハンドクリームで油分を補給することはとても効果的です。ハンドクリームは大きく分けて次の4種類があります。
・保湿系
ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が配合ざれたタイプ。乾燥してカサカサするときなど、比較的軽度の手荒れにおススメです。
・ビタミン系
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、などが配合されたタイプ。これらのビタミンが手の血行を促進し、新陳代謝を促してくれるため、ひびや赤切れが酷い場合は素早く肌を修復してくれる作用があるのでおススメです。
・ナチュラル系
シアバターや植物オイル、海藻エキスやハチミツなど、化学成分を使わず天然の保湿成分で作られたタイプ。こまめに塗っても肌の負担となることはありません。舐めても安心なものもあるので、子育て中の方やペットのいる方も安心です。
・尿素系
尿素が配合されたタイプ。尿素は、化学式では「CO(NH2)2」と表される化学物質の1種です。尿素には硬くなった角質を柔らかくする作用があります。ただし、刺激の強い成分のため、ひび・赤切れなど傷のある部分に使うと症状が悪化することがあるのでおすすめはできません。
その他には、第2医薬品とされるステロイド配合のハンドクリームも市販されています。これらのハンドクリームは一時的にはきれいになるけれど、副作用が気になります。使用する場合は、一時的な手荒れの回復にとどめ、常に使用し続けないなど工夫しながらハンドクリームを使い分けるといいでしょう。
ハンドクリームの効果をアップ
ハンドクリームをお使いの方は多いと思いますが、ハンドクリームをつける際のひと手間で効果はぐっと上がります。是非実践してみましょう。
・まずは化粧水で補水ケア・・・ハンドクリームは油分と水分で出来ていて手肌の表面を覆うことで乾燥から守りますが、肌自身を水分で潤すことはできません。特に手は水分が不足すると、顔の肌以上に皮膚が硬くなりやすい性質があり、カサつきやひび割れを起こしやすくなります。そこでハンドクリームの前に肌に浸透する化粧水で水分を補給しておくと、水分でふっくらした肌をコーティングする感覚で手を美しく保つことが出来ます。
・手で温めてから使う・・・ハンドクリームは両手の平で数秒温めてから塗ると伸びがよくなり隅々まで塗らなく塗ることが出来ます。
・塗り方を工夫する・・・全体にハンドクリームを馴染ませたら、指1本ずつ、指の付け根から指先にかけて円を描くように塗っていきましょう。乾燥しやすい爪の周りや関節にはすり込むようにしっかり塗るのがポイントです。
手肌にも栄養分をプラス
ハンドクリームを塗ったからといって、必ずしも万全なケアとは言えません。顔だけでなく手の肌質に影響するセラミドの量は、年齢とともに低下して50代になると20代の約半分の量になると言われています。いくらハンドクリームで肌の表面を整えても、肌の内側のセラミドが不十分では、シワやシミのない若々しい手を手に入れることが出来ません。手も顔と同じようなケアが大切です。尚、セラミドが配合されたハンドクリームもありますが、セラミドは分子が大きいため肌の内側に働きかけることが出来ません。肌表面の潤いを保つ効果がありますが、肌の内側のセラミドを育てるには、セラミドの栄養分となる成分を肌の内側に届けることが重要です。
手のケアにも、オイルを使ってみよう
オイルと聞くと「ベタつくから手にはちょっと・・・」と思っていませんが?一口にオイルと言っても種類は様々。中には肌馴染みがよくスーッとお肌に浸透してベタつきが残らないものもあります。肌になじみやすいオイルは、ハンドケアにも最適。特に乾燥しやすい指先は、オイルケアがおすすめです。オイルの油分で十分に保湿するとともに、肌の内側に栄養分を届けて、肌自身が潤う力を高めていきましょう。
ハンドケアに選びたいオイルの種類
ベタツキが残りにくく、ハンドケアに最適なオイルをご紹介。
・スクワラン
高い保湿力を持つが、日焼け止めに使われている成分との相性が良くないので、日焼け止めとの併用には注意を。
・ローズヒップ
乾燥から肌を守り、セラミドに働きかけるオメガ3も含んでいる。酸化しやすいのが難点。
・アルガン
高い保湿力を持つうえビタミンEが豊富で酸化に強い。気軽に使えるが特有の香りがある。
・ホホバ
人間の皮脂によく似たオイルで肌馴染みが良い。しっとりしながらべとつきにくいバランスがとても良いオイルで、皮脂の代わりとなって潤いをしっかり守る。
・クランベリーシード
高い保湿力と抗酸化力を持ち、セラミドを育てるオメガ3も豊富に含む万能オイル。
手のマッサージで血流アップ
オイルをしっかりなじませた後は、指先や指の股などまでしっかりマッサージを。力を入れすぎず、優しく行うのがポイントです。
・ハンドマッサージの方法
1.オイルを手の平に伸ばし、手を合わせて数秒間温める。
2.人差し指と親指の付けになるツボを5秒×2~3回繰り返し押す。
3.円を描くように、指の付け根から指先まで1本ずつマッサージする。
4.指先にはツボが集中しているので、1本ずつ爪の根元部分を押す。
5.手の平全体を、親指を使ってもみほぐす。
6.血管が浮き出やすい手の甲全体を反対の手の平で優しく数回なでる。
手荒れを早く治したいときのスペシャルケア
手の乾燥に効果てきめんなのがハンドパック。しかし忙しくて時間がないという人も多いのでは?そんな方には塗って寝るだけのハンドパックがおススメ!面倒くさがりの私もお掃除で手を酷使した日など、手荒れが気になった時に行っています。翌朝の手はびっくりするほどスベスベで感動です!
≪ハンドパックの方法≫
1.手にたっぷり化粧水をつけて浸透させる。
2.オイルを塗る(関節や爪の部分は多めに)。
3.使い捨てのビニール手袋をする。
4.ビニール手袋の上から綿の手袋をする。
5.そのまま就寝。
こんな症状のときには、ハンドケアより病院へ
手の乾燥も悪化すると、さまざまな皮膚症状を招いてしまいます。日常的なセルフケアも大切ですが、なかなか変化が感じられなかったり、悪化したりするようなときはきちんと病院に行くこと。例えば、以下のような症状の時は皮膚科の診断を受けるようにしてみましょう。
・手湿疹(主婦湿疹)…ひどい場合には、発疹や水ぶくれなど
・アレルギー性湿疹…強いかゆみやひび割れなど
・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)……角質層が剥がれ落ち、膿疱ができる
・手水虫…かゆみはなく、表面がカサつく
・ダニ感染…角質層が厚くなり、ガサガサに。高齢者施設などで起こりやすいため、介護業の方は注意。
日々のケアでうるおいのある手を
いかがでしたか?
美しい手を手に入れる秘訣は・・・
・水仕事などの時に、可能な限り外的刺激にさらされないようにする。
・手の洗いすぎや消毒しすぎに注意する。
・洗剤はなるべく直接触れないようにするか、刺激の少ない物を選ぶ。
・ハンドクリームでこまめに保湿ケアをする。
・UVケアをきちんとする。
・栄養のあるオイルで肌の内側からも保湿ケアをする。
・マッサージやハンドパックなどのスペシャルケアを取り入れる。
この小さな積み重ねが美しい手を手に入れるには大切です。カサカサの手を卒業して、若々しい手を取り戻しましょう!